eぶらあぼ 2024.10月号
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第1010回 定期演奏会Bシリーズ 10/24(木)19:00 サントリーホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp47 注目の公演。演出家・岩田達宗とバリトン歌手・小森輝彦がシューベルトの歌曲集「水車屋の美しい娘」を演出付きで上演する。リートによるオペラ、あるいはオペラ仕立てのリートともいうべき試み。両者は2020年にもヴォルフの「イタリア歌曲集」を“上演”しており、その第2弾。 前回、明確な物語のない「イタリア歌曲集」から、岩田は全46曲の曲順を入れ替えてひとつのラブストーリーを紡ぎ出していた。今度は全曲を通して物語性のある「水車屋」を、どう見せるのか。粉挽き職人(水車屋)の若い徒岩田達宗マーティン・ブラビンズ ©Ben Ealovegaンズ&都響の助力を得て作曲家の抒情性を的確にとらえていくはずだ。 そしてイギリス20世紀最大のシンフォニスト、ヴォーン・ウィリアムズの交響曲第9番。80代半ばに差し掛かった作曲家が最後に取り組んだ大作で、初演の少し後に世を去っている。作品は荘重な主題で始まり、全編にわたって井出德彦小森輝彦弟の放浪と恋、そして喪失と死。もちろん詩の表層をなぞるようなものを創るはずはあるまい。劇場の広報誌の記事で岩田は、「前回、歌曲だから音楽だけに集中したいという反応も多く、その反省を踏まえて取り組む」と実直に語っている。とはいえ、その解を見い出すのはそう簡単ではないとも思える。はたしてどんな岩田マジックが飛び出すか。 美しい声と豊かな音楽性に理知的なアンネリエン・ファン・ヴァウヴェ ©Joëlle Van Autreve厚く塗られたオーケストレーションが重々しい気分を伝えてくる。それまでの作品に比べると地味で難解だが、近年理解が進んできた。ブラビンズは昨年BBC響と本作をもってヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集を完結させたばかり。いよいよ都響を相手に、作品の真価を日本のファンに届けてくれる。船木こころ文:江藤光紀文:宮本 明山本 裕解釈を併せ持つ小森とのコンビは、この企画にはこれ以上ないベストなタッグだろう。ピアノは井出德彦。女性コンテンポラリー・ダンサーの船木こころが、主人公を繊細で中性的な少年として演じる(振付:山本裕)。「娘」が舞台には登場しないのはミュラーの詩のとおり。では一方で、より主人公に近い存在として描かれている「小川」をどのように扱うのか。シューベルトの傑作に新しい顔が見えるのか。興味津々。東京文化会館 舞台芸術創造事業 歌劇《シューベルト 水車屋の美しい娘》ドイツ・リート屈指の名曲を“歌劇仕立て”に再構築!11/9(土)15:00 東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jpマーティン・ブラビンズ(指揮) 東京都交響楽団伝道師が彫琢するイギリス管弦楽作品の粋 オペラから新作初演まで幅広いレパートリーを誇るイギリスの名匠ブラビンズ。2025/26シーズンからはスウェーデンのマルメ響の首席指揮者に就任、世界から乞われる指揮者へと幅を広げている。都響への客演ではイギリス近代のシンフォニズムの系譜を継続的に選曲、紹介してきた。今回も知られざる、そしてとっておきの3曲を披露してくれる。 エルガーの序曲「南国にて」は、イタリアのアラッシオを旅行した際の印象を音化したもの。序曲とはいえ20分ほどの堂々とした作品で、ドラマティックな展開はむしろ交響詩に近い。円熟期に入りつつあった作曲家の筆の冴えに注目。 20世紀前半に活動したフィンジは、寡作ながら再評価が進んでいる作曲家だ。クラリネット協奏曲は戦後の傑作で、哀愁と慎ましさが入り交じった節回しに個性が香る。ソロのアンネリエン・ファン・ヴァウヴェは2012年のミュンヘン国際の最上位入賞者。ブラビ

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