eぶらあぼ 2024.10月号
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第2023回 定期公演 Cプログラム11/15(金)19:00、11/16(土)14:00 NHKホール問 N響ガイド0570-02-9502 https://www.nhkso.or.jp37 作曲家のあるジャンルを一度に聴くことで、新たな発見がもたらされることがある。ベートーヴェンという、常に過去の自分を乗り越えて進んだ作曲家の作品では、特にその種の感動を受け取りやすい。 そんなベートーヴェンの全5曲のピアノ協奏曲を、一夜にして、世代も背景も異なるソリストで聴くことができる。共演は現田茂夫指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。 興味深いのはピアニストのラインナップだ。まず第1番は、子どもの頃からロシアの名教師のもと身につけた骨太なテクニックで聴き手を魅了する上上原彩子 ©武藤 章三浦謙司 ©Harald Hoffmann原彩子。 日本生まれ、ドバイ育ち、イギリスとドイツで学んだのちロン・ティボーコンクールで優勝。ユニークな経歴に由来する自由な音楽性を持つ三浦謙司は、第2番を弾く。 日本音楽コンクール最年少優勝で注目され、現在ニューイングランド音楽院で学ぶ吉見友貴は、第3番でその特別な美意識を披露。 楽しみなのは、第4番を演奏するソン・ミンス。教育者としても知られる彼は、アンドレス・オロスコ・エストラーダ ©Martin Sigmund動したこの作曲家は、ショスタコーヴィチから高く評価され、近年は再評価が著しい。1968年初演のトランペット協奏曲も、ショスタコーヴィチ風の冷めたユーモアと狂気を秘め、第3楽章にはマーラーの交響曲第5番や、メンデルスゾーンの結婚行進曲のグロテスクな吉見友貴 ©Nippon Columbiaソン・ミンス ©Shin-joong Kim/MOC変形も飛び出す。 この怪作を独奏するのは、ドイツ人奏者ラインホルト・フリードリヒ。アバドが2003年にルツェルン祝祭管弦楽団を編成した際、首席トランペットに任命した名手だけに、冴えのあるソロで楽しませてくれるはずだ。ラインホルト・フリードリヒ ©CyrusAllayar scaled横山幸雄 ©ZIGEN文:山崎浩太郎文:高坂はる香現田茂夫 ©K.Miuraヴァン・クライバーンコンクール最年少優勝のイム・ユンチャンが慕う恩師でもある。ベートーヴェンの名手として知られる彼の初来日演奏だ。 そして大トリとして「皇帝」を演奏するのは、ベートーヴェンを主軸レパートリーとする横山幸雄。輝かしくクリアな音色とゴージャスな音楽づくりで締めくくってくれるだろう。 ピアニストの音色の違いを聴き、またベートーヴェンへのアプローチの多様性を楽しむ一夜となりそうだ。2025.1/25(土)17:30 サントリーホール 9/28(土)発売問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jpアンドレス・オロスコ・エストラーダ(指揮) NHK交響楽団躍進著しい実力者の鮮やかなタクトに期待! 秋からの定期公演に登場する指揮者の顔ぶれを見ていると、やはりN響はさすが懐が深いなあ、と感心する。ペトル・ポペルカやタルモ・ペルトコスキなど今をときめく俊英に加えて、オロスコ・エストラーダのような実力ある中堅も、初めて招いているからだ。 オロスコ・エストラーダは1977年コロンビア生まれ。南米出身だがウィーンで学び、トーンキュンストラー管弦楽団やウィーン交響楽団の首席指揮者を歴任して、当地楽壇と縁が深い。それだけに、ラテン系らしい熱いパッションと、厚みのある響きと確固たる造形感覚をそなえている。ワーグナーの《タンホイザー》序曲とショスタコーヴィチの交響曲第5番の2曲は、持ち味を発揮するのにぴったりの作品となるだろう。 この2曲のあいだに、ヴァインベルクのトランペット協奏曲が演奏される。ポーランドに生まれて長くロシアで活ベートーヴェン ピアノ協奏曲全曲演奏会注目のソリスト5人が弾き分ける5つのコンチェルト

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