eぶらあぼ 2024.10月号
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33InformationBunkamura オーチャードホール × 浜離宮朝日ホール 共同企画ORCHARD PRODUCE 2024宮田 大 & 横溝耕一が贈る室内楽フェスティバル AGIO vol.212/13(金)〜12/15(日) 浜離宮朝日ホール魅惑のチェロ・クァルテット 12/13(金)14:00オープニング・ナイト 12/13(金)19:00ピアノ三重奏 & ピアノ四重奏 12/14(土)14:00弦楽六重奏《浄められた夜》 12/14(土)18:30ファミリーコンサート《動物の謝肉祭》 12/15(日)10:30クロージング・コンサート 12/15(日)15:00■ Bunkamura 03-3477-3244https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/https://www.bunkamura.co.jp事務所やオーケストラといった垣根を越えて、ふたつ返事で『いいよ』と言って出演してくれるということはありますね。それはある意味、今の自分の立ち位置だからこそできることなのかなと」 今回は、昨年から1公演増えて、3日間で全6公演がプログラムされている。ふたりがとくに楽しみにしている演奏会、注目ポイントを聞いた。横溝「今年はシェーンベルクのアニバーサリー(生誕150年)ということで、 弦楽六重奏『浄められた夜』を演奏します(12/14)。なかでも三浦文彰がヴィオラを弾くというところが注目。彼の方から『ヴィオラを弾きたい』と言ってきてくれたんですよ」宮田「僕はやはり『魅惑のチェロ・クァルテット』を推したいですね(12/13)。大好きなチェリストである辻本玲ちゃんとも意見交換しながらプログラムを決めました。彼の音っていうのは、出したくても出せないんですよ。ですから身近で演奏を聴いていて、いつも勉強になります」 忙しい日々を送る同世代の仲間たちが久しぶりに顔を合わせ、音で会話する場は貴重なもの。「AGIO」ならではの顔合わせも多々ある。横溝「同級生の沼っち(ピアニストの沼沢淑音)との共演は高校生以来なので楽しみです。学生の頃から才能豊かで、ロシアに留学して、今や桐朋の准教授になって。経歴を見るとエリート・ピアニストですが、じつは野生味にあふれた人間で。音楽も人間性もすごく面白いんです」宮田「三浦文彰と郷古廉という、同年代のふたりが同じステージに立って共演する機会はこれまでなかったと思います。今回を逃すと次はなかなかないのでは」三浦文彰 ©Yuji Hori辻本 玲 ©KING RECORDS 0歳から入れるファミリーコンサート(12/15)では、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」を超一流のメンバーで演奏する。横溝「オーケストラと違って、室内楽は誰が弾いているかが手に取るようにわかるので、子ども向けだからといって気は抜けません。驚くほど豪華なメンバーによるアンサンブルですが、そこで大の大人が本気を出してやる、それを見せることが子どもの教育においていちばん大事な部分なのではないかと思っています」宮田「この公演は朝の10時半開演で、プレイヤーにとっては大変です(笑)。音楽祭の期間中は連日いろんな曲を演奏することになるので、相当の練習量と、それをこなす体力が必要。なによりプレイヤー自身が楽しまないと乗り切れません」 アーティストだけでなく、そこに集うお客さんにとっても、交流の場になってほしいという「AGIO」。東京の音楽シーンに新たな風を吹き込んでくれるに違いない。沼沢淑音郷古 廉 ©Hisao Suzuki

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