eぶらあぼ 2024.10月号
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長島剛子(ソプラノ) & 梅本 実(ピアノ) 世紀末から20世紀へ Part XVII千葉交響楽団 演奏会13510/6(日)14:00 市川市文化会館(小)10/21(月)19:00 福岡/九州キリスト教会館10/27(日)15:00 ヤマハホール 他神奈川フィルの首席ヴィオラ奏者を務め、ソリストや室内楽奏者としても意欲的な活動をこなす大島亮。10回目という節目にあたるリサイタルで彼は、ブラームスの名作、ヴィオラ・ソナタ第2番に真っ向から挑む。作曲家最晩年の哀愁に満ちた本作の深みがどう表現されるか楽しみだ。ほかにはブラームスが敬愛し続けたクララ・シューマンや2022年に委嘱初演された信長貴富の作品等が並ぶ。ピアノは草冬香。10/26(土)14:00 杉並公会堂(小)藤原道山 尺八コンサート「雙 -SO-」栗原麻樹(ピアノ)~民族的な調べの風景~愛器ストラディヴァリウスが母校・甲南に響く!KING GEORGE ~貴志康一の調べ~10/12(土)15:00 神戸/甲南大学甲友会館10/22(火)19:00 東京文化会館(小)10/27(日)14:00 君津市民文化ホール文:近松博郎ジャンルを超えた演奏で注目を集めるアーティストとして、また母校・東京藝術大学の准教授として、邦楽の発展と普及に幅広く寄与してきた藤原道山。今回の公演でも自作曲Keikoや都山流の本曲から、実質的にフルート協奏曲といえるバッハの作品までを自在に取り上げ、尺八の知られざる魅力を存分に聴かせる。作・編曲、演奏家として同じくジャンルを問わぬ活躍を続けるKeikoのピアノとの白熱の競演も期待される。大島 亮 ヴィオラリサイタル Vol.10 ~つづくヴィオラ~栗原麻樹は15歳で渡仏し、パリ国立高等音楽院、エコール・ノルマル音楽院等で長く研鑽を積んだフランス音楽のスペシャリスト。近年は管弦楽曲の編曲版でも表現力を示してきた。今回のリサイタルではノルウェー、フィンランド、チェコと、民族色豊かな作曲家を特集する。とくにアルゼンチン生まれのヒナステラのソナタ第1番を含めたのは斬新だ。野性味あふれるリズム感が彼女の感性とどう結合するのか聴き届けたい。藤原道山指揮者・作曲家・ヴァイオリニストとして伝説的な活躍をみせた貴志康一(1909~37)。彼は二十歳のときに「キング・ジョージ」(1710年製)を入手し、初めてストラディヴァリウスを左より:江尻南美、塩貝みつる、石橋幸子託された日本人となった。今回はこの名器の響きが貴志の母校・甲南学園で甦る。石橋幸子、塩貝みつるのヴァイオリン、江尻南美のピアノで貴志やブラームスの作品を演奏。楽器の音色に浸りつつ夭逝の音楽家の生涯に思いを馳せたい。ソプラノの長島剛子とピアノの梅本実によるリートデュオ。そのリサイタルシリーズ「世紀末から20世紀へ」編の17回目は、シェーンベルク生誕150年にちなみ「月に憑かれたピエ梅本 実ロ」を中心に据える。この音楽史上における画期的作品の深意を改めて問い直す絶好の機会といえる。現代作品の上演に精通した川島素晴の指揮のもと一流のソリスト陣が集い奏でる贅沢な演奏は、滅多に聴けないものとなるはず。県内唯一のプロ・オーケストラ、千葉交響楽団と音楽監督山下一史によるオール・フランス・プログラム。祝祭的な雰囲気に満ちたオッフェンバックの喜歌劇《美しきエレーヌ》序曲、山下一史 ©ai ueda 實川 風 ©T.Tairadate繊細にして軽妙洒脱なフォーレの組曲「ペレアスとメリザンド」まで多彩な作品が並ぶ。人気ピアニスト實川風を迎えてのサン=サーンスのピアノ協奏曲第4番も聴きどころ。五輪の熱狂冷めやらぬうちにこれらフランス音楽の粋に浸るのも一興だろう。掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。長島剛子月の10

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