eぶらあぼ 2024.09月号
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57クァルテット・ウィークエンド 2024 - 2025 ヘンシェル・クァルテット王道の独墺プログラムで魅せる30年の歩み ヘンシェル・クァルテットは今年でキャ引用されていることで知リア開始から30年を迎える。1994年られているが、作曲者晩にヘンシェル兄弟に、チェロのマティア年の翳りも聴きどころでス・バイヤー=カルツホイが加わり、本ある。格的な活動をスタート。いくつもの国 ヘンシェル・クァルテッ際コンクールに入賞し、96年には第2回トのベートーヴェンでは、2012年の「サントリーホー大阪国際室内楽コンクールで第1位をル チェンバーミュージッ獲得した。その後、元ベルリン・フィルのダニエル・ベルが第2ヴァイオリンとク・ガーデン」での弦楽四して参加。ドイツを代表する弦楽四重重奏曲全曲演奏会が記憶に残る。第1ヴァイオリン奏団として活躍している。のクリストフ・ヘンシェル 今回の来日公演では、彼らが最も得の鬼気迫る演奏や自由度意とするドイツ=オーストリア音楽のの高い柔軟なアンサンブルが思い出古典派からロマン派にかけての作品がされる。あれから12年、今回どんな「ラ演奏される。とりわけメンデルスゾーズモフスキー第3番」を聴かせてくれンは弦楽四重奏曲全集の録音を残すなど、彼らの十八番のレパートリーといえる。第3番はメンデルスゾーンの充実期の作品。生き生きとした演奏が聴けるだろう。シューベルトの第13番「ロザムンデ」は、第2楽章に劇付随音楽「ロザムンデ」からの優美な旋律が引き出す手腕に定評がある。メンデルスゾーンの「イタリア」交響曲では元気溌剌の持ち味だけでなく、経験豊かなマエストロならではの陰影にも富む演奏になるだろう。 若林は「凄腕の少年ピアニスト」としてテレビを賑わせた時期もあった。しかし以後は、東京藝術大学、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院、そしてベルリン芸術大学で地道な研鑽を続け、2002年にはニューヨーク・カーネギーホールでリサイタル・デビューを果たすなど、一貫して本格派ヴィルトゥオーゾ9/30(月)19:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 https://www.t-bunka.jp9/23(月・休)14:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net他公演 9/22(日・祝) 愛知/宗次ホール(052-265-1718)    9/25(水) 鶴見区民文化センター サルビアホール(完売)    9/27(金) 大阪/ザ・フェニックスホール(06-6363-7999)    9/29(日) びわ湖ホール(小)(077-523-7136)川瀬賢太郎 ©Yoshinori Kurosawa文:山田治生©HPRemarkるのか。30年を経たヘンシェル・クァルテットの熟達が満喫できる演奏会となるに違いない。若林 顕 ©Burkhard Scheibeの道を歩む。ひたすらピアニズムの純度を極め、音にすべてを語らせるプロフェッショナルなスキルはラフマニノフの代表作、ピアノ協奏曲第3番でも最高度に発揮され、川瀬&都響との火花散る駆け引きを期待できる。東京文化会館 《響の森》 Vol.54 メンデルスゾーン&ラフマニノフ躍進著しいマエストロと日本を代表するヴィルトゥオーゾが超名曲で共演!文:池田卓夫 少し前まで「若手」とか「新進」と呼ばれていた演奏家がいつの間にか、「中堅」「巨匠」の域に達したことに驚く瞬間が、ままある。9月30日、東京文化会館主催、東京都交響楽団の演奏会《響の森》Vol.54に出演する指揮者の川瀬賢太郎(1984年生まれ)は40代、ピアニストの若林顕(1965年生まれ)は60代が目前に迫っている。2人とも20代初めに頭角を現し、国内外で第一級のキャリアを築いた。 川瀬は26歳で名古屋フィルハーモニー交響楽団の指揮者に就き、正指揮者を経て2023年4月から音楽監督を務める一方、神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者(14~22年)、札幌交響楽団正指揮者(22年~)、オーケストラ・アンサンブル金沢パーマネント・コンダクター(同)などの国内主要ポストを歴任してきた。慣例にとらわれない斬新なレパートリー、どのオーケストラからも生き生きとした表情を

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