eぶらあぼ 2024.09月号
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39 副部長でフルート担当の3年生、江﨑里桜(えさきりお)は言う。「全国大会は夢の世界すぎて、もし出場できることになったらというのも想像できないくらいです。でも、同期のみんなが大好きなので、みんなと一緒に全国の舞台に立ってみたいです」 顧問の南里隆弘先生も、悲願の全国大会出場への思いは部員たちと同じだ。南里隆弘先生「うちは私立校ですが、県内在住の生徒しかいません。私には、佐賀だけで全国大会出場を実現し、地元の音楽シーンに貢献したいというこだわりがあります」 一方で、佐賀ならではの課題も感じている。「生徒の傾向として、素直だけれどおとなしく、九州大会に行くと他校に圧されて萎縮してしまう、というところがあります。中学時代に全国大会を経験した子もいないので、私としては自信をつけさせ、自発性のある音楽が奏でられるようにしてあげたいと考えています」 南里先生が指摘した課題は、昨年の九州大会でも出てしまった。副部長でコントラバス担当の3年生、江下怜来(れいら)は言う。「本番に弱いところがあると思います。私は1年のときから紅組(コンクールメンバー)でしたが、1年のときも2年のときも九州大会は硬くなってしまって楽しめませんでした」 7月26日に行われた佐賀県大会でも、怜来は同じ課題を感じたという。「本番直前の練習まではうまくできていて、『よし、いける!』という思いでステージに出たんですけど、いざ本番になると演奏が乱れてしまって……」 部長の佳希は弾けるような元気さとリーダーシップ、演奏技術をみんなに認められている。「本番では緊張しない」と笑顔で言い切る強心臓の持ち主だが、それでも過去の九州大会では「ステージに立つと『やばいやばい!』と思ってしまって」思い描いていたような演奏ができなかったという。「今年こそは九州大会を楽しみたいです。他県の強豪校は少し怖いと思ってしまいますけど、演奏を通じて『九州には佐賀学園もいるから!』という存在感を見せつけて、全国大会に行きたいです」 怜来もこう語った。「部のみんなは本当に上手でリスペクトしているので、私の仲間はこんなにすごいんだよ、というのを九州や全国の人たちに知らせたいです」 部員たちが本来持っている実力を余すところなく発揮できれば、8月25日に行われる激戦の九州大会を突破することも不可能ではない。 英語で「saga(サーガ)」とは、長大な伝説や叙事的物語のこと。全国大会出場という輝かしいエンディングに向けて、佐賀学園のサーガは続いていく。♪♪♪拡大版はぶらあぼONLINEで!→♪♪♪

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