eぶらあぼ 2024.09月号
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34 時空を超えた不朽のコンチェルトを愛してやまない小山実稚恵。愛すべき指揮者。信頼のオーケストラ。音楽にいだかれたい私たち聴き手。開館40周年も視野に入ってきたサントリーホール。この、どれひとつ欠けても成り立たないパフォーミングアーツの華、それが小山実稚恵サントリーホール・シリーズ Concerto<以心伝心>2024だ。 実稚恵さんの盟友・大野和士指揮の東京都交響楽団(第1回)、実稚恵さんが敬愛する小林研一郎指揮の日本フィルハーモニー交響楽団(第2回)に続く第3回の<以心伝心>。今秋の指揮者は広上淳一、オーケストラはNHK交響楽団で、モーツァルト最後のピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595とブラームス若き日の肖像とも言うべきピアノ協奏曲第1番 ニ短調 op.15が選ばれた。音楽の女神がひらりと舞いおりたかのようなモーツァルトと、烈しくも美しいブラームス。 実稚恵さんは開口一番「どちらも大好き。この2曲の組み合わせも大好き。私たちが演奏の場に立つようになってから、もう何年になりますか…(かれこれ40年では、とお話すると)まあ、そんなに。広上さんと私は、まさに同じ時代を歩んできた同志ですね。本当は繊細なのだけれど、それを見せない人間・広上淳一をよく知っているという感じです。 広上さんの音楽づくりには気高さも遊び心もあります。美しい世界を誰よりも愛でる広上さんと、時にそれを破壊する(笑)広上さん。相反する世界が共存しています。二面性があるわけですが、彼はそれを演じているのではなく、ほんとうに自然に、音楽の流れのなかで表現するのです。 おこがましいですが、リハーサルは的確、組み立取材・文:奥田佳道(指揮)(指揮)(指揮)Concerto <以心伝心> 2024心を通わせて―40年、共に歩み続けるふたりの協奏(ピアノ)(ピアノ)(ピアノ)広上淳一広上淳一広上淳一&小山実稚恵小山実稚恵小山実稚恵

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