eぶらあぼ 2024.09月号
136/149

133文:近松博郎小林愛美、茂木拓真、伊藤亘希の三人はいずれも国内外のコンクールでの輝かしい受賞歴を誇る注目の若手ギタリストたち。彼らによる多彩な音楽を楽しめる公演。ギター用オリジナル左より:伊藤亘希、小林愛美、茂木拓真作品のほか、バッハのチェロ曲、ラモーのクラヴサン曲、シューベルトの歌曲からのアレンジ作品が並ぶ。三重奏としては冨山詩曜「アメージング・グレイス変奏曲」を演奏。ギターという楽器の奥深い魅力を再発見させてくれるはずだ。実力派歌手による歌曲を堪能できる本格的な公演だ。幸田浩子はウィーン・フォルクスオーパーの専属歌手を務めるなど欧州の名門でキャリアを積んだ。日野妙果もナポリ・サンカル日野妙果ロ劇場ほか日欧の主要劇場でオペラ出演を重ねる才媛。その二人がシューベルトのドイツ・リートや山田耕筰の日本歌曲に正面から対峙し奥深い世界を作り上げる。この分野を牽引してきた巨匠・小林道夫のピアノも聴き逃せない。弘前バッハアンサンブル 創立40年記念演奏会9/1(日)14:00 青森/弘前文化会館9/15(日)14:00 紀尾井ホールチェンバロ奏者の島口和子によって創設された弘前バッハアンサンブルの記念演奏会。同団体は声楽と器楽から成り、地元青森や東京のほかバッハのお膝元であるライプツィヒの聖トーマス教会をはじめとする欧米でも意欲的な公演を重ねてきた。今回はバッハの中心領域ともいえる教会カンタータから3曲が披露される。熟練の名手たちが長い年月をかけて培ってきた精緻なバッハ演奏が聴けるだろう。関内ホール トライアドコンサート~若手ギタリストが奏でる極上の時間~幸田浩子島口和子フィンランドを代表する作曲家である故ペール・ヘンリク・ノルドグレン(1944~2008)の生誕80年記念コンサート。ノルドグレンは1970年代に東京藝術大左:舘野 泉&ヤンネ舘野/学に留学しており日右:P.H.ノルドグレン ©Maarit Kytöharju本との縁は深い。左手のためのピアノ曲「小泉八雲の怪談によるバラードII」は親交のあった舘野泉への献呈作品で、今回は朗読つきで上演される。ほかにピアノ五重奏曲、弦楽四重奏曲など、北欧の現代作品を聴ける貴重な場となる。ピアニストで国立音楽大学特任教授を務める花岡千春のリサイタル。「二つの大戦の狭間で」と題した公演の第二回で、1917年から44年の間に書かれた種々の作品を取り揃える。安川加壽子の高弟としてフランスに学び、洋楽受容期から第2次大戦に至る邦人ピアノ作品についても研究と演奏を続けてきた花岡ならではのプログラムだ。未曽有の戦乱のさなかに日仏英の音楽家が作品に込めたメッセージを洗練された演奏で再現する。9/1(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール夏休みの終わりに子どもから大人までが気軽に有名クラシック曲を楽しめるコンサート。モーツァルトやワーグナーの歌劇、映画音楽、ミュージカルほかの名曲が並ぶ。演奏は人気指揮者の大井剛史がタクトを振る東京フィルハーモニー交響楽団。プロオケの生演奏で馴染みの音楽を一心に味わうもよし、これをクラシック音楽の本格的な演奏会に親しむ足がかりとするもよし。幅広い楽しみ方ができる非常に贅沢な公演だ。舘野 泉(ピアノ) & ヤンネ舘野(ヴァイオリン)プレゼンツ P.H.ノルドグレン生誕80年記念演奏会9/20(金)18:30 旧東京音楽学校奏楽堂9/22(日・祝)14:00 東京文化会館(小)ライトクラシック・コンサート~スペース・ファンタジー・クラシック~花岡千春ピアノ独奏会~二つの大戦の狭間で II~掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。大井剛史 ©Ayane Shindo9/7(土)14:00 横浜/関内ホール(小)小林道夫と辿る歌曲の世界 幸田浩子(ソプラノ) & 日野妙果(メゾソプラノ)9/21(土)14:00 東京文化会館(小)月の9

元のページ  ../index.html#136

このブックを見る