11月に国内外の管楽器の名手が集い、インターナショナル・ウィンド・サミット2024「グラン・パルティータ」が、東京、愛知、大阪で愛知室内オーケストラの主催でひらかれる。2021年の同楽団の特別演奏会での初共演以来、関係を深めているホルン奏者の福川伸陽がプロデュース。フィラデルフィア管首席オーボエ奏者のフィリップ・トーンドゥル、フランス放送フィル首席クラリネット奏者のニコラ・バルディルー、ベルリン芸術大学教授でホルンのサボルチ・ゼンプレーニ、ベルリン・コンツェルトハウス管ホルン奏者、チャン・ユーフイが招かれ、英国在住のクラリネットの橋本杏奈、ヨーロッパ室内管首席ファゴッ9/1(日)~9/8(日) 越前市文化センター、越前市労働福祉会館 他問 武生国際音楽祭推進会議事務局0778-23-5057 http://takefu-imf.com※各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。11/18(月)19:00 紀尾井ホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp11/20(水)18:45 愛知県芸術劇場コンサートホール問 愛知室内オーケストラ052-211-9895 https://ac-orchestra.com11/22(金)19:00 豊中市立文化芸術センター問 大阪アーティスト協会06-6135-0503 https://artists636.wixsite.com/my-site7/22(月)発売69 今年も福井県越前市で武生国際音楽祭が開催される。期間は9月1日から8日まで。作曲家の細川俊夫音楽監督のもと、コンサートや作曲ワークショップ、アカデミーが行われる。同音楽祭は地域に密着しながら、多くの同時代作品を含んだ公演を実施し、創造性にあふれた音楽祭として大きな成果を収めてきた。11公演からなるメインコンサートには、武生ならではの先進的なプログラムが並ぶ。 今年のプログラムテーマは、昨年と一昨年に引き続いて「弦楽四重奏曲」。現代音楽の分野における世界最高峰のクァルテット、アルディッティ弦楽四重奏福川伸陽フィリップ・トーンドゥルアルディッティ弦楽四重奏団 ©Manu Theobaldト奏者の小山莉絵、パリ管ファゴット奏者の助野由佳らが帰国し、読響の荒木奏美、金子平、N響の松本健司、神奈川フィルの熊井優らが参加。もちろん福川も出演する。まさにオールスター・キャストである。 コンサートのメインはモーツァルトのセレナード第10番「グラン・パルティータ」。名手たちの絶妙なハーモニーが橋本杏奈 ©Adam Adamouクァルテット・インテグラ ©Abby Mahler団がふたたび登場して、20世紀から21世紀にかけての弦楽四重奏曲を演奏する。さらに注目の若手集団クァルテット・インテグラと、山根一仁、毛利文香、田原綾子、上野通明の名手からなるエール弦楽四重奏団が招かれ、古典もとりあげる。 中心となるのは新旧のウィーン楽派。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンのウィーン古典派からシェーンベルク、ベルク、ウェーベルンの新ウィーン楽派荒木奏美 ©Kenryou Gu松本健司 ©Mutsuko KUDO堪能できるに違いない。そして、藤倉大の「グラン・パルティータ(ウィンドアンサンブルのための)」が世界初演される。福川からの依頼により、先述のモーツァルトの作品と同じ編成で作曲された新作。依頼者に応えてホルンが活躍するという。そのほか、ドヴォルザークの名曲「管楽セレナード」が演奏されるのもうれしい。エール弦楽四重奏団 ©Hideki Shiozawaの音楽に重点が置かれ、現代のウィーンの音楽も紹介される。さらにリゲティ、ノーノ、サーリアホ、西村朗、坂田直樹、塚本瑛子らの作品も演奏され、プログラムは実に多彩だ。演奏者はピアノの北村朋幹、ヴァイオリンの白井圭、ハープの吉野直子、フルートのマリオ・カーロリなど、そうそうたる顔ぶれがそろう。いずれの公演も発見と驚きに満ちたものになることだろう。文:山田治生文:飯尾洋一インターナショナル・ウィンド・サミット2024 「グラン・パルティータ」管楽器のスタープレイヤーが綺羅星のごとく集う夢の公演!武生国際音楽祭2024名匠から気鋭まで、豪華クァルテットが初秋の福井に集結!
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