eぶらあぼ 2024.8月号
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侍BRASS 2024 《羊皮紙の世界図》金管楽器のスーパープレイヤーたちが魅せる圧巻のパフォーマンス文:オザワ部長(吹奏楽作家) 楽器を持った10人のサムライたち ——金管楽器と打楽器から成る、人気と実力を兼ね備えたブラスユニット「侍BRASS」がこの夏もコンサートを開催する。 メンバーは楽団長の中川英二郎(トロンボーン)や盟友であるエリック・ミヤシロ(トランペット)などジャンルレスな活躍をみせるプレイヤーに、日本フィルソロ・トランペット奏者オッタビアーノ・クリストーフォリ、読響テューバ奏者の次田心平ら「ブラス界の剣豪」がずらり。打楽器(岩瀬立飛)に加え、通常の金管アンサンブルではあまり見られないユーフォニアム(齋藤充)が入った編成であるところも特徴のひとつだ。 今年のコンサートには「羊皮紙の世界図」というサブタイトルがついているが、気鋭の作曲家・山岸恵菜の世界初演作の曲名だ。ほかにも中川が自ら手掛けた「龍神伝説」「侍」、石川亮太の「徒然草」といったアンサンブル作品やソロ第1007回 定期演奏会Aシリーズ 9/4(水)19:00 東京文化会館第1008回 定期演奏会Cシリーズ 9/5(木)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp8/25(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 https://www.operacity.jp61曲のほか、吹奏楽ではおなじみのロバート・ジェイガー作曲「シンフォニア・ノビリッシマ」を高橋宏樹編曲で演奏する。吹奏楽ファンは「どんなアレンジになるんだろう?」「オーボエのあのソロはどの楽器がどう演奏するんだろう?」と興味をかき立てられるに違いない。 コンサートでは圧倒的なスーパープ大野和士 ©Rikimaru Hotta品ではメロディを長く歌わせて、雄大に開始させる。これによって、巨大な第8番や第9番へとつながる新境地をひらいたと大野が評価するこの曲で、都響はどんな深いハーモニーを聴かせてくれるだろうか。レイで観客の度肝を抜く侍BRASSだが、曲間では気心の知れた者同士の軽妙でユーモアたっぷりのトークも楽しませてくれる。 今年も、東京オペラシティ コンサートホールのステージで「剣豪」たちがどんな音楽の「世界図」を見せてくれるか楽しみだ。撮影:藤本史昭 提供:東京オペラシティ文化財団ポール・ルイス ©Kaupo Kikkas コンサートの前半には、ポール・ルイスを独奏とするベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番が演奏される。ブレンデルの愛弟子ルイスは近年ますます充実度を増しているだけに、豊かで中身の濃い音楽が響くはずだ。文:山崎浩太郎大野和士(指揮) 東京都交響楽団屈指の人気作で言祝ぐブルックナー・バースデー 東京都交響楽団は昨年から今年にかけて、今年生誕200年のブルックナーの主要な交響曲を取りあげている。指揮者はいずれも都響と共演を重ねてきた人ばかりで、それぞれに好評を得ているが、なかでも音楽監督の大野和士と4月に演奏した交響曲第3番は、両者の信頼関係が音に出た、堂々と力強い、見事な演奏だった。がっしりと安定感があり、波動のようなエネルギーをつくりだす弦楽セクション。厚みと輝かしさをあわせもつ金管。ハーモニーに奥行きを与え、美しく歌う木管。力強いリズムをもたらすティンパニ。こうした都響の楽員たちの高いポテンシャルを引き出してみせた大野のバトンの冴えは、終演後の熱く長い大喝采にふさわしいものだった。 この大野と都響の名コンビが、今度は9月のブルックナーの誕生日とその翌日に、交響曲第7番を取りあげる。リズムを刻む音型で第1楽章を始めることが多かったブルックナーが、この作

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