eぶらあぼ 2024.8月号
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1278/9(金)19:00 東京文化会館(小)ひろしまオペラルネッサンス・アンサンブルシアターIII《修道女アンジェリカ/ジャンニ・スキッキ》8/23(金)18:30、8/25(日)14:00 広島/JMSアステールプラザ1992年から活動を続ける「ひろしまオペラルネッサンス」の新公演。今回の演目は、プッチーニの「三部作」から遺産を巡る人々の思惑と行いを共通素材とする二川瀬賢太郎作品だが、一途な母©Tomoko Hidaki親の切ない悲劇《修道女アンジェリカ》と、機知に富むジャンニの活躍を滑稽に描いた《ジャンニ・スキッキ》は好対照をなす。芸術監督兼演出の岩田逹宗、指揮の川瀬賢太郎のもと、多彩な歌手陣と広島交響楽団の熱演が期待される。椿三重奏団コンサートオーケストラ・アンサンブル金沢ありがとうコンサート20248/27(火)19:00 石川県立音楽堂 コンサートホール石川県を本拠にハイレべルな音楽活動を続けるオーケストラ・アンサンブル金沢。「ありがとうコンサート」と銘打つ公演のテーマは、本年のオリンピック・パラリンピック開催地である花の都パリ。モーツァルトの交響曲から映画やミュージカルの音楽まで親しみやすい名作揃いだ。アーティスティック・リーダー広上淳一の指揮により、震災復興に向けて努力するすべての人々へ同楽団からのメッセージが伝わることだろう。文:近松博郎現代音楽のエキスパートであり、作編曲によっても独自の存在感を示す打楽器奏者・會田瑞樹のリサイタル。メシアンの弟子でもあった故・篠原眞の「ランコントゥル 出会い」を日本初演す鈴木 舞るほか、アジア各地で活躍する若手作曲家たちによる會田への献呈作品が並ぶ。「ヴィヴァルディの四季―和声と創意と躍動の試み―」はある種原始的な感性で原曲の精髄を抽出しようとした試みで興味深い。共演はヴァイオリンの鈴木舞。秋元茉里 フルート・リサイタル Vol.7ライネッケ生誕200年に寄せて8/2(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール今年生誕200年を迎えたライネッケは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団楽長やライプツィヒ音楽院院長を歴任した重要な音楽家である。フルート・ソナタ「ウンディーネ」はロマン派のフルート作品の傑作としてよく演奏されるが、秋元茉里はオール・ライネッケ・プログラムで彼の新たな魅力に迫る。上品さと哀愁が絶妙に溶け合ったフルート協奏曲など聴きどころが多い。ピアノは岡本知也。會田瑞樹(パーカッション)會田瑞樹岩田達宗 ©大阪音楽大学©井村重人椿三重奏団は第一線で活躍する演奏家の高橋多佳子(ピアノ)、礒絵里子(ヴァイオリン)、新倉瞳(チェロ)による常設のトリオ。三人でじっくりと練り上げたプログラムは2020年と23年にCDリリースされ、前者はレコード芸術誌特選盤に選出されるなど高い評価を受けている。メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番から有名小品までをバランスよく配した本公演は、様々な音楽ファン層に極上のひと時を与えてくれるはずだ。子供と一緒に楽しめるオペラ天沼裕子 新作オペラ《少年オルフェ》8/3(土)、8/4(日)各日14:00 17:00 シアターX(カイ)天沼裕子は東京藝術大学作曲科卒業後に渡独し、数々の歌劇場で指揮者としてもキャリアを積んだ。2021年、ヴュルツブルク音大教授定年退職後に帰国し、現在は後進の指導に当たる。「少年オルフェ」は米沢幸男による兄妹愛の物語で、1962年第三回講談社児童文学新人賞受賞作。今回は天沼の新作ジングシュピール(歌芝居)として上演される。昨年選抜された歌手陣と作り上げる意欲的な企画の完成をぜひ見届けたい。8/17(土)14:00 和光大学ポプリホール鶴川掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。天沼裕子広上淳一月の8

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