eぶらあぼ 2024.8月号
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それでも踊るそれでも踊る者たちのために者たちのために126Profileのりこしたかお/作家・ヤサぐれ舞踊評論家。『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER』『ダンス・バイブル』など日本で最も多くコンテンポラリー・ダンスの本を出版している。「ダンス私塾オンライン」開設。皆様の参加をお待ちしております!乗越たかお第118回 「祝Noism20周年。だが『存続問題』は終わっていない」 まずお知らせ。オレが本気で舞踊評論家を育てて際活動部門」「地域活動部門」と2部門体制になるヨーロッパの国際ダンスフェスへ派遣する「舞踊評論など、地元貢献に注力することで一段落したと思っ家【養成→派遣】プログラム」の第2期募集が始まっている人も多いかもしれない。た。今年はイタリアの古都ゴリツィアへの派遣。〆切 しかし同時にレジデンシャル制度そのものの見直しと明文化も進められていた。その結果、令和3年は8月5日。オレの誕生日だ。詳細は各自ググって。 さて日本で初(そして唯一)の公立劇場(りゅーと(2021年)10月29日付けで新潟市が公式サイトにぴあ)専属ダンスカンパニーとして2004年に華々しも発表している「りゅーとぴあのレジデンシャル制くスタートし第一線を走り続けているNoismは今年度について」という資料には、「芸術監督の任期及び上限年数」として「芸術監督の任期は1期5年以20周年を迎えた。 記念公演の『Amomentof』は、金森の公私のパー内とし任期の更新は1回、2期10年を上限」とするとトナーとしてNoismを共に支えてきた井関佐和子を書いてある(5年、10年の根拠は示されていない)。通じ「長くもあり一瞬(a moment of)でもある20年現在の金森は契約を更新し2022年9月からNoism Company Niigataの芸術総監督となっているので、間」を凝縮したようなシーンが続く。若いダンサー達に囲まれ世代の違いを感じたりもする。時間は遡在任期間が最大でも2032年に終了することは決定らないが、大きな流れを受け入れ、受け継いでいく事項なのだ。決意が伝わってくる。 しかも新潟市のレジデンシャル制度が対象とす そんなNoismは世界的にも高い評価を受けているのはダンスとは限らないため、代わりに演劇や音楽のカンパニーが入ってくるかもしれない。Noismをるが、新潟市長が交代した2018年のタイミングで検証委員会が立ち上がり、ちまたでいう「Noism存続丸ごと別の拠点に移転させたり、Noismの芸術監督問題」が取り沙汰されたのは記憶に新しい。今日のを外部から迎えることも不可能ではない。まあ個人欧米の公立カンパニーの場合、芸術監督の交代は的にはNoismゆかりの人が芸術監督を引き継ぎ、金森はハウスコレオグラファーとして関わると思ってい日常的なことである。ピナ・バウシュのヴッパタール舞踊団のように、芸術監督がカリスマ振付家を兼ねるが、将来的にどうなるかは未知数だ。てその作品だけを上演するカンパニーは、ふた昔前 20周年もただ気楽に祝っているだけとはいかないの形態と言える。ただNoismは金森がゼロから立ちようである。上げたカンパニーであり、両者は不可分なものと考えられてきたのだ。 新潟市のサイトで2022年2月22日付けの記事「Noism(ノイズム)の活動評価はこうして進めた」によると、対外的な評価の高さは認めつつ「市内における舞踊の普及・育成といった地域貢献活動の不足」などが挙げられていた。すでに名前もNoism Company Niigataと変えており、カンパニーも「国

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