eぶらあぼ 2024.7月号
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7/16(火)19:00 トッパンホール問 パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831 http://www.pacific-concert.co.jp58シェフを務めるなど、世界の名匠として活躍する彼女のタクトは注目だし、祖国エストニアのエッレル「マイ・ホームランド」が聴けるのも貴重。2000年、ソウル生まれのピアニスト、イ・ヒョクの登場も注目。一昨年、ロン=ティボー国際ピアノコンクールで亀井聖矢と優勝を分け合った人気ピアニストが奏でる、ノル7/27(土)15:30 NHKホール問 N響ガイド0570-02-9502 https://www.nhkso.or.jpクリスティーナ・ポスカ©Kaupo Kikkasマチュー・デュフォー ©ヤマハ株式会社作者の楽器との相性も抜群によかったのだろう。 今回のプログラムに並ぶのは生誕200年のライネッケ、そしてカルク=エーレルトというドイツ・ロマン派。ヴィドール、フォーレ、エネスクという近代フランス音楽の精髄。20世紀の演目で最高峰に位置するマルタンとプーウェーのグリーグのピアノ協奏曲第1楽章に期待がふくらむ。 そして、ナビゲーターは厚切りジェイソン! “Why!?”と叫びながら疑問をぶつけて人気を博したお笑いタレントの彼が、オーケストラにまつわる疑問を次々に斬ってくれるに違いない。音楽のよろこびと笑いにあふれる時間になる。イ・ヒョク厚切りジェイソン浦壁信二ランク。それがシカゴ響とベルリン・フィルの首席を歴任した当代屈指のフルーティストと、彼が信頼を置くピアニスト浦壁信二の演奏で耳にできると記すだけでは、まだ足りない。ひとつの楽器をここまで極めれば、音楽はここまでの高みに昇るのだ。デュフォーはそれを教えてくれる。文:木幡一誠夏だ! 祭りだ!! N響ほっとコンサート 世界ぐるっと名曲の旅オーケストラの“Why!?”はお任せ! みんなで楽しむ午後のひととき文:林 昌英 「夏だ! 祭りだ!!」と掲げる「N響ほっとコンサート」の季節がやってくる!ナビゲーター付きの楽しい公演に加えて、開演前には「楽器体験工房」が開催され、N響メンバーの指導で実際に楽器を奏でることもできる。聴衆と楽員が直接触れ合い、みんなが笑顔で過ごせる、毎年1回だけの貴重な人気コンサートだ。 今年は「世界ぐるっと名曲の旅」をテーマに、欧米の作曲家たちの楽曲を通して各国の空気を味わう趣向。ジョン・ウィリアムズ「オリンピック・スピリット」(アメリカ)でオリンピック・イヤーを颯爽と祝い、ブリテン「青少年のための管弦楽入門」(イギリス)では各楽器の紹介と壮大な響きを体感。公演終盤は「ラデツキー行進曲」(オーストリア)、《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲(イタリア)、「ファランドール」(フランス)の名曲押し! 指揮はクリスティーナ・ポスカ。バーゼル劇場やフランダース交響楽団でマチュー・デュフォー フルート・リサイタルさらなる頂を目指す世界的ソリストの華麗なる妙技 前回の来日は2022年10月だった。前半がエマヌエル・バッハのソナタを軸とするバロック系、後半が19世紀後半から20世紀初頭のフランス系のレパートリーというステージは、超絶技巧派の笛吹きでもあるデュフォーにしてはインパクトが控え目に感じられたものだ。しかし演奏に接して驚嘆。パリに生まれリヨンで学んだ彼が恩師マクサンス・ラリューから譲り受けた、フレンチ・スクールの本道をいくノーブルな美音にはさらなる磨きがかかり、弱音領域の繊細かつ精妙な響きの綾にはただ聴き惚れるのみ。凄いほどの深化だ。 このとき木管フルートを手にしていたのも彼としては新機軸(オーケストラ時代にも頭部管のみ木製を使ったことはある)。ベルリン・フィル退団から1年近くの時を経て、ソロ活動に専心するに際し、厳しく自己を見直し精進を重ね……。そんな姿すら想像したくなる。新しく手にしたというドイツの製

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