第2回ひろしま国際指揮者コンクール一次予選 8/7(水)、8/8(木)各日14:00 二次予選 8/9(金)12:00 17:00本選 8/12(月・休)17:00広島/JMSアステールプラザ問 ひろしま国際平和文化祭実行委員会(実施運営:中国放送内)082-222-1104https://hiroshimafest.org/music/conductor_competition/53Interview下野竜也(ひろしま国際平和文化祭音楽プロデューサー) &クリスティアン・アルミンク(ひろしま国際指揮者コンクール審査委員長)夏のヒロシマから音楽界の未来を担う指揮者を 2022年に広島市で「ひろしま国際平和文化祭」の一環として始まった「次世代指揮者アカデミー&コンクール」が「ひろしま国際指揮者コンクール」と名称を改め、第2回を8月4日から12日まで開催する。第1回では音楽プロデューサー兼審査委員長を務めた下野竜也は、文化祭の音楽プロデューサーに専念、広島交響楽団新音楽監督のクリスティアン・アルミンクが審査委員長に就く。ウィーン音楽大学在学中からの友人でもあるマエストロ2人がコンクールの特色や魅力、今後の期待について大いに語り合った。 早くも2回目にしての名称変更。下野は「開催意図を明確にしたのです。『次世代』は良い考えだったのですが、真意を人々に伝えるには難しいところがありました」と背景を説明する。 下野が東京国際音楽コンクール〈指揮〉(2024年から東京国際指揮者コンクールに改称)、仏ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝者として頭角を現したのに対し、アルミンクには目立ったコンクール歴がない。「私も20歳でブザンソンを受けたのですが、1次予選のタイミングでマネージャーとの契約が成立して、チェコのブルノ・フィルの定期演奏会でヴェルディの『聖歌四篇』を代役で指揮するチャンスをいただきました。何より演奏会の本番が大事だと考え、そのままキャリアをスタートさせたのです」。 委員長はもちろん、「指揮者コンクールの審査員をお引き受けするのも初めて」というアルミンクだが、「近年はベルギーのリエージュやアメリカのコロラドで指揮を教えています。広島でもオーケストラの前で何ができるか、どのようなオーラを放つかなど、参加者の音楽性をしっかり見極めたいと思います」と意気込みを語る。 初回は第1位の大井駿をはじめ、上位入賞者が各地のオーケストラから招かれ、マネジメントと契約する成果を残した。下野は「前回宣伝が後手に回ったのは反省点ですが、広島市民の興味が次第に広がって、口コミで観客が増え始めた時に『やって良かった』と思いました。参加者は50人と少ないながら海外からの応募も多く、広島市を訪れてコンクールを受けるだけでなく、マスターコースを受講し、8月6日の平和記念式典に参加してもらうなど、このコンクールだからこその意義深い取り組みもできました」と振り返る。課題曲は古典から広島出身の細川俊夫ら現代の作曲家まで、広島ウインドオーケストラの活動を踏まえた吹奏楽曲にも目を配り充実していたとはいえ「将来はオペラのレパートリーも取り入れたいと考えています」。 アルミンクは2017年から広響の首席客演指揮者を務めてきた。「ヨーロッパから見ても広島はとても有名な街で、知名度は大阪、名古屋より高い」という。「リエージュ音楽院の指揮クラス左:下野竜也 右:クリスティアン・アルミンクで今回のコンクールについて話したら皆、強い関心を示しました。ひろしま国際指揮者コンクールは短期間で世界に広まる可能性を秘めており、若い音楽家が世界に羽ばたくプラットホームとなることを期待します」。下野も「クリスティアンの審査委員長就任を機に一層の国際性が出るといい」と期待する。 2024年は96人が応募、選考会を経て出場者を13人に絞った。うち6人が日本人、7人が外国人。 「日本人でも海外在住者もいます」(下野) 「コンクールへの信頼を高める上で継続性はもちろんですが、参加者の質と審査の公平性(フェアネス)が何より重要だと考えています」(アルミンク)取材・文:池田卓夫
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