第268回 土曜マチネーシリーズ 7/13(土)第268回 日曜マチネーシリーズ 7/14(日)各日14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp8/4(日)13:30 高崎芸術劇場 音楽ホール問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre/46高崎芸術劇場 大友直人 Presents T-Shotシリーズ vol.13前田妃奈 ヴァイオリン・リサイタル21歳の大器が届ける、力強くも美しいグリーグの傑作ソナタ 注目の若手演奏家を紹介する「高崎芸術劇場 大友直人 Presents T-Shotシリーズ」。13回目のステージにはヴァイオリンの前田妃奈が登場。 特別特待奨学生として東京音楽大学に学ぶ現役学生ながら、2022年には第16回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクールで優勝を飾り、一躍注目の的となった気鋭のヴァイオリニストである。同コンクールのファイナル・ステージでは完璧な技術のもとオーケストラと渾然一体となって力強く音楽を弾き進め、圧倒的な演奏で満場の客席を熱狂の渦に包み込んだのが印象に残る。すでに関西フィル、東響、新日本フィルほかのオケとも共演を重ね、こうした豊富な演奏経験が彼女の音楽作りに厚みをもたらしているといえるだろう。 今回の公演で取り上げられるのはグリーグのヴァイオリン・ソナタ全3曲。いずれも独特の味わいを持つ名作な そして、その2曲のあいだには、モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲が演奏される。独奏は、シカゴ響やベルリン・フィルで首席を務め、現在はソリストとして活躍するフルート奏者マチュー・デュフォー。そして、ハーがら、最初の2作が20代前半に書かれたのに対し、第3番は40代円熟期の作品であり、とくにその第2楽章における研ぎ澄まされた美しさはこの時期の作曲者が辿り着いた一つの境地を示していよう。前田が作曲者の人生に寄り添い、これらの作品をどう消化して聴かせてくれるかが楽しみである。共演はリヨン国際ピアノコンクール第1位、ミュンヘン国際音楽コンクール第3位の実績を持ち、国内外のオケとの共演や音楽祭出演を通じて活躍する新進気鋭のピアニスト久末航。カタリーナ・ヴィンツォー ©Andrej Grilc©Taira Tairadate文:鈴木淳史文:近松博郎景山梨乃 マチュー・デュフォー ©読響©ヤマハ株式会社プ奏者は読響メンバーが登場する。パリやベルリンで学び、ソリストとしても経験豊かな景山梨乃だ。2人が起こす化学変化、そこに若手指揮者率いる読響が加わり、色彩豊かなモーツァルトを香り立たせるのではないか。カタリーナ・ヴィンツォー(指揮) 読売日本交響楽団オーストリアの新鋭が紡ぐ活気に満ちたドヴォルザーク 才能を開花させつつある若い指揮者が、また日本デビューを果たす。カタリーナ・ヴィンツォーは、1995年生まれのオーストリア人指揮者。ウィーンとチューリヒで学び、ダラス交響楽団でファビオ・ルイージの副指揮者、その後はブダペスト祝祭管弦楽団でイヴァン・フィッシャーのアシスタントも務めた。彼女の名前で検索すると、これまで共演した世界中のオーケストラの名前がずらりと並んでいる。今回、そのなかに読響の名前も加わるというわけだ。 彼女が読響と奏でるのは、ドヴォルザークを中心としたプログラムになる。活気にあふれた序曲「謝肉祭」。そして、魅力的なメロディにあふれた交響曲第8番だ。表情豊かな音楽作りをするヴィンツォーが、これらの曲の旋律をどう歌わせ、いかなる表現を与えていくか。その手腕が発揮されるのを楽しみに待ちたい。
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