eぶらあぼ 2024.7月号
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7/27 (土)17:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 https://www.geigeki.jpマリア・シュナイダー ©Briene Lermitteミュージシャンにとっても出会いがもたらすものは大きくなろう。2つめ。マリアの楽曲「Hang Gliding」を挾間美帆があらたにアレンジ、マリアじしんが指揮する。自作のアレンジものを、マリアが作曲者=指揮者の位置から演奏する醍醐味だ。3つめ。ソプラノ・森谷真理を加えた「Carlos Drummond de 43 ちょっと前まではシュターツカペレ・ドレスデンのコントラバス奏者だった。本格的に指揮者に転向してから今年で8年ほど。にも関わらず、すでにノルウェー放送管弦楽団、プラハ放送交響楽団の首席指揮者に就いて実績を積み、来季からのウィーン交響楽団の首席指揮者にも決まった。ヨーロッパで旋風を巻き起こす有望株だ。そのペトル・ポペルカが、プラハ放送交響楽団を率いて来日、オール・チェコ・プログラムを披露する。 かつてアンチェルやレナルトといった名匠がポストを務めてきたプラハ放送響は、チェコを代表するオーケストラのペトル・ポペルカ ©Vojtěch Brtnickýプラハ放送交響楽団 ©Michal Fanta一つ。この国のローカル色と放送響ならではの柔軟性を併せ持つ実力派だ。 サントリーホール公演では、スメタナの「モルダウ」に、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲(三浦文彰)、交響曲第9番「新世界より」。東京オペラシティでは、ドヴォルザークのチェロ協奏曲(佐藤晴真)と、スメタナの「わが祖国」抜粋によるプログラムを演奏する。スメタナ生誕200年を記念して、「わが7/9(火)19:00 高崎芸術劇場 7/11(木)19:00 サントリーホール7/13(土)14:00 東京オペラシティ コンサートホール問 AMATI 03-3560-3010 https://www.amati-tokyo.com※公演によりプログラムが異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。三浦文彰 ©Yuji Hori佐藤晴真 ©Seiichi Saito祖国」を全曲演奏する高崎芸術劇場での公演も聴き逃せない。 ポペルカといえば、2022年に東京交響楽団に客演。繊細にサウンドを作りながら、スケール感あふれる演奏を聴き、こんな優れた指揮者をこれまで知らなかったことを恥じたほどだ。今回の来日公演は、さらに上に登り詰めるであろう新鋭指揮者の振るチェコ音楽にどっぷりと浸れる絶好の機会だ。森谷真理 ©タクミジュンAndrade Stories」(2008)の日本初演。ジャズうんぬんではなく、現代アメリカのもっとも良質な音楽のひとつが披露される稀有な機会だ。 前世紀末NYでマリアに会ったとき、いつか日本のミュージシャンと一緒に演奏してみたいと言っていた。東京芸術劇場でこのことばが実現される――。文:鈴木淳史文:小沼純一ペトル・ポペルカ(指揮) プラハ放送交響楽団注目集める若きマエストロによる濃密なチェコ・プログラムNEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇 マリア・シュナイダー plays マリア・シュナイダーシンフォニック・ジャズの最高峰が日本の気鋭たちと共演! 第6回を迎える「NEO-SYMPHONIC JAZZ at 芸劇」、5の数字をひとまとまりととらえるなら、5を超えたところでさらなる新たな期待も高まる。そこで登場するのはマリア・シュナイダー、ジャズ・オーケストラのバイタリティを生かしつつ、繊細さとダイナミズム、グラデーションとコントラストを体感させてくれる人物だ。サウンドの魔術師ギル・エヴァンスの助手をつとめ、ただ音楽が知られているだけではない。作品がビッグバンド・サークルで人気の演奏レパートリーとなっている。演奏するひとからも評価が高い。この列島、でもだ。 特筆すべき点をいくつか挙げてみる。まず大きなホールでマリア・シュナイダーが指揮をする。何度か来日している彼女だが、いずれもビッグバンドを率い、ライブハウスでの演奏だった。今回は日本のミュージシャンたち(池本茂貴 isles、特別編成チェンバー・オーケストラ)との演奏。第1部と第2部、フォーマットの違いを対照できるし、どちらの

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