eぶらあぼ 2024.7月号
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ハ短調。これまでもブラームスの快演を聴かせてきた三浦だけに、今回もイメージを刷新するような「ブラ1」が実現するはず。この公演も2曲はハ調の楽曲で、2公演を通した三浦のメッセージもありそうだ。 9月28日と29日の昼には「辻井伸行スペシャル」と題された2公演が開催される。28日は「フランツ・リストの魅力」。辻井のリストを集中的に聴ける機会は意外に貴重で、「愛の夢第3番」「ため息」「コンソレーション第2番・第3番」といった名品から、「リゴレット・パラフレーズ」「ヴェネツィアとナポリ」などヴィルトゥオーゾ作品まで、リストの世界を堪能する。29日は「フレデリック・ショパンの魅力」で、「子守歌」「幻想即興曲」「スケルツォ第2番」「バラード第1番」など、得意のショパン名曲の数々を味わい尽くす。 ブルーローズでの名手たちによるアンサンブル公演も多数。そのうち1時間前後の4公演は、それぞれにテーマが設定される。9月28日昼は「ARK JAZZ」。話題の若き天才トランぺッター松井秀太郎が、自らのカルテットでジャズの世界をたっぷりと披露する。同日夜はARKのレジデント「ARK BRASS」公演。国内のスター奏者たちがコアとなり、金管楽器の魅力を伝え続ける人気グループで、今回は世界的三浦文彰 ©Yuji Hori高木綾子 ©FUMI吉野直子 ©Akira Muto松井秀太郎 ©Tadayuki Minamotoトランペット奏者セルゲイ・ナカリャコフがスペシャル・ゲスト。金管ファン必聴。 9月29日昼は「ARK VOICES」と題して、ジャンルの境をこえて活躍する女声コーラスグループ「リトルキャロル」が登場。讃美歌から現代、ディズニーソングまで、異次元の響きに浸るアカペラコンサートを。9月30日昼の「ランチタイム・コンサート」は、辻井がナカリャコフや三浦らと共演。 2時間強の3公演も充実しており、多彩な編成のアンサンブルが目白押し。9月27日「オープニング・ナイト」と10月1日「クロージング・ナイト」は、ARK出演のアーティストたちが集い、ガラコンサートのように名品の数々を奏でる。中心となるのはデュオ作品だが、10月1日には高木、鈴木康浩、吉野によるドビュッシーの「フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ」、三浦と辻井によるラヴェルのヴァイオリン・ソナタ ト長調、三浦がリーダーとなるメンデルスゾーンの弦楽八重奏曲などの本格的な作品群も注目。9月30日夜は「ARK QUARTET」と題して、四重奏3曲にシューベルト「ます」という、室内楽ならではの硬派かつ贅沢なプログラムも堪能できる。辻井伸行 ©Yuji HoriARK BRASS ©Yuji Horiセルゲイ・ナカリャコフ ©Thierry Cohen清水和音 ©Yuji Hori31Information9/27(金)〜10/1(火) サントリーホール問 サントリーホールチケットセンター0570-55-0017  チケットスペース03-3234-9999https://avex.jp/classics/arkclassics2024/※販売状況により完売の場合あり。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。辻井のピアノで聴くリストとショパンブルーローズの多彩なアンサンブル

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