eぶらあぼ 2024.6月号
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第18回 Hakuju ギター・フェスタ 2024 ラテンアメリカ 4 ~ポンセのギター・ソナタ全曲【第一夜】8/16(金)19:00 【旬のギタリストを聴く】 8/17(土)14:00【第二夜】8/17(土)18:00 【フィナーレ】8/18(日)15:00Hakuju Hall問 Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 https://hakujuhall.jp※出演者、プログラムの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。41Interview荘村清志(ギター) & 福田進一(ギター)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■取材・文:宮本 明 18回目を迎える真夏のギターの祭典「Hakuju ギター・フェスタ」。今年のテーマは「ラテンアメリカ 4 ~ポンセのギター・ソナタ全曲」だ。中心人物である二人、荘村清志と福田進一に聞いた。福田「ポンセのソナタは、たまたまみんなレパートリーがあるというので、じゃあ全部並べようかと。フェスタ3日間で全部が聴けてしまう。ポンセのソナタ全曲演奏会なんてほとんどないですから」 ポンセのギター・ソナタは他にもあるが、メインの有名どころとしては全5曲ということになるのだそう。福田「ポンセはスタイルがころころ変わるので、俯瞰して聴くのが楽しい作曲家です。ブラーボの弾く『ソナタ第3番』というのはポンセのオリジナルのスタイルなんですけど、あとは全部模倣なんです。典型的なメキシコの民謡風の『ソナタ・メヒカーナ第1番』を(村治)奏一君が弾いてくれるし、フェルナンデスの弾く『ソナタ・クラシカ』はソルのスタイル。僕が弾く『ソナタ・ロマンティカ』というのはシューベルトの弦楽四重奏のスタイルも踏襲しているし、荘村さんの『南のソナチネ』は、セゴビアのオーダーで完全にスペイン風に書かれているんですね。このほかに、“旬のギタリストを聴く”の枠で山田唯雄君が長大な『スペインのフォリアの主題による20の変奏曲とフーガ』(抜粋)も弾いてくれます」 ポンセのギター作品はセゴビアのために書かれており、セゴビアの手が入っている。ある意味の共作と考えてよいという。荘村「原典の効果を残したまま、ギターで弾きやすいように加筆している。僕は彼が75歳の時にマドリードで『南のソナチネ』を聴いたんだけど、第2楽章を、『ソナタ第3番』に入れ替えちゃってた。へー! これもありなのかと驚きました」福田「ポンセの原典も出版されていて、その良い部分があれば僕もミックスして弾くようにしていますが、一時期は原典主義的な傾向が強くて、セゴビアの加筆部分を全部外してしまうこともあったんです。でも、セゴビアのエ荘村清志 ©良知賀津也ディションが最終の決定だということは認識したうえで原典を見なければなりません」 今回はいつにもまして豪華なゲストが揃う。福田「村治奏一君はお姉さんの佳織さんの4つ下。彼が6歳の頃から知っています。アメリカで勉強したので、やはり合理主義的な奏法を持っていて、オーソドックスで隙のない、すっきりした演奏をしますね。彼以前に、アメリカに行く人はあまりいなかったと思います。 エドゥアルド・フェルナンデスとは1995年に初めてデュオで共演して以来の付き合い。スタイルから指遣いから全然違うんですけど、あんなに相性のいい人はいません。 レオナルド・ブラーボはヴァイオリンの近藤久美子さんとタンゴを。この二福田進一 ©Takanori Ishii人は素晴らしいです。ギターとヴァイオリンのデュオはあまり聴く機会がないかもしれませんが、びっくりすると思いますよ。僕がびっくりしたぐらいですから」 若手登竜門の「旬のギタリストを聴く」に出演する山田唯雄は東京音大で荘村門下。荘村「学生の頃から数段大きくなっています。かつて鈴木大介さんも優勝したミケーレ・ピッタルーガ国際コンクールの昨年の覇者。日本を代表するギタリストになるきっかけにしてほしいですね」 フィナーレは全員集合のアンサンブル。作曲家・加羽沢美濃のギター・デュオの新作も初演される。福田「18回。すごい歴史です」荘村「老体に鞭打って20回までは頑張ります!」

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