プーロスの指揮で、メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」他を演奏する[C22]。メンデルスゾーンがスコットランドに旅した際に着想したこの傑作を、イギリスのオーケストラで聴く貴重な機会だ。同楽団は1998年に創設されたオーケストラ。録音にも意欲的で、CHANDOSやBISレコードからアルバムをリリースしている。 オックスフォード・フィルが大西順子と共演するガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」も聴きものだ[C21]。日本を代表するジャズピアニスト、大西順子の「ラプソディ・イン・ブルー」といえば、かつて小澤征爾指揮サイトウ・キネン・オーケストラと共演したことが思い出されるが、今回もジャズトリオを組んでの共演となる。指揮を務めるのは沼尻竜典。この音楽祭では来日オーケストラを日本人が指揮し、日本のオーケストラを来日した指揮者が振るといった交流が珍しくない。 オーケストラでは関西の雄、大阪フィルの参加も話題を呼びそうだ。次代のホープとして注目を集める太田弦が、グローフェの組曲「グランド・マリオス・パパドプーロスオックスフォード・フィルハーモニー管弦楽団広上淳一国府弘子菊池洋子©Yuji Horiキャニオン」を指揮する[C23]。アメリカの大自然が色彩感豊かなオーケストレーションによって描かれる。ほかに大阪フィルは松本宗利音指揮によるホルストの組曲「惑星」[C24]、板倉康明指揮によるジョン・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』他の映画音楽[C31]を演奏し、音のスペクタクルを堪能させる。 もちろん地元オーケストラ・アンサンブル金沢も八面六臂の活躍を見せる。純クラシック作品に加えて、松井慶太の指揮と宮川彬良のトークによる「OEKでめぐるアニメの歴史」[H13]や広上淳一指揮による「ビートルズ&カーペンターズ in OEK×国府弘子」[H23]など、バラエティ豊か。 ほかにも「菊池洋子&アビゲイル・ヤングの室内楽」でのヴォーン・ウィリアムズのピアノ五重奏曲[A12]や、「HIMARl×吉田恭子DUO」の母娘ヴァイオリニスト共演[H22]、ソプラノの中嶋彰子と能舞の渡邊荀之助のジャンルを超えた共演[H14]など、多彩な企画が目白押しだ。たくさんの発見と喜びが待っている。大西順子太田 弦©ai uedaHIMARI©Hitoshi Iwakiri中嶋彰子板倉康明渡邊荀之助29Information ガルガンチュア音楽祭2024 「大西洋をわたる風~イギリス、アメリカの音楽~」会期:4/28(日)~5/5(日・祝) [本公演]5/3(金・祝)~5/5(日・祝)会場:石川県立音楽堂、金沢市アートホール、北國新聞赤羽ホール、北陸エリア(福井・石川・富山)問 ガルガンチュア音楽祭実行委員会事務局076-232-8113 https://www.gargan.jp※本文内の[ ]は公演番号です。各公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。
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