23天彦先生の新曲を披露します!廣津留 え、新曲?! 対局の「局」のお話じゃなくて?鈴木 そう、音楽の「曲」。佐藤 実は、今回出演される中島章博さんに作曲を習っているんです。まったくのゼロからですが、理論を学んでいて、カデンツ、機能和声から始めています。作品として作るのは初めてで、中島さんにしっかり見ていただいて、助けてもらいながらできれば…。それで、お恥ずかしいんですが、私の作った“なにか”を、すみれさんに演奏していただく可能性をイメージしているんですけれども…(笑)廣津留 そうなんですか! 佐藤先生の“なにか”を演奏できるなんて光栄です…!鈴木 僕は将棋のレッスンを香川先生にお願いしようかな(笑) 鈴木は「駒音に耳をすませて」のコンセプトを説 鈴木は「駒音に耳をすませて」のコンセプトを説明。目的は「異なる二つの芸術形態――音楽と将棋明。目的は「異なる二つの芸術形態――音楽と将棋――の共通点を探求すること」。目標は「音楽の調――の共通点を探求すること」。目標は「音楽の調和と将棋の戦略的な美しさを融合させ、両者の間に和と将棋の戦略的な美しさを融合させ、両者の間にある意外なシナジーを探ることで、新たな芸術的表ある意外なシナジーを探ることで、新たな芸術的表現を創出すること」。前例のない内容になりそうだ。現を創出すること」。前例のない内容になりそうだ。鈴木 まず、トークコーナーと、先生方のリクエスト曲を演奏します。そして「音楽将棋」というコーナーを考えています。ⅠからⅢまであり、「Ⅰ」は対局を序盤・中盤・終盤に分けて、それぞれに名曲を演奏する。「Ⅱ」は結構な実力者という中島先生と僕が舞台上で将棋をやりまして、相手が「長考します!」と宣言したら即興演奏をしようと。「Ⅲ」では将棋のJT杯の人気企画のように「次の一手」クイズを行い、その間に演奏します。いろいろ合わせると、全体で10曲以上演奏することになりますね。佐藤 優人さんは将棋、僕は作曲で新作を作る。お互いが専門外のことでさらけ出すことになりますが(笑)、それもいいのかなと思います。廣津留 将棋の知識はありません、という人でも今回のコンサートは楽しめますよね?佐藤 一手ずつ、または一音ずつ、頭の中で構築して大伽藍を築き上げていくというプロセスは、将棋も音楽も似ていると感じています。また、将棋の戦況はソナタ形式みたいな感じかもしれません。序盤は主題を提示するようにゆったり組み立てて、中盤は入り組んで展開していき、終盤はテンポを上げて走り出し、勝負としての側面が高まってフィナーレを迎える。将棋のルールを知らなくても、こういう状況かなと音楽でわかるようにできれば。鈴木 音楽祭は“お祭り”で、誰もやっていない、うまくいくかもわからないようなことをできる場でありたいと思っています。これは誰もトライしたことのない、盤面の勝負と譜面の勝負。どんな方も楽しめるように挑戦します!廣津留 私は大学で講義をするとき、「音楽 × 教育」「音楽 × スポーツ」のように異なるトピックを掛け合わせますが、音楽を違う側面から見られる機会は意外と少なくて、本当にレアなチャンスです。この公演なら“「音楽 × 将棋」も意外と共通点あるじゃん!”と感じられるはずだし、楽しいコンサートになると思います!将棋会館での取材時には盤を囲んで対局も!フェスティバル・オーケストラ公演より ©K.Miura取材協力:日本将棋連盟Information調布国際音楽祭20246/15(土)〜6/23(日) 調布市グリーンホール、調布市文化会館たづくり、調布市せんがわ劇場、深大寺本堂 他■ チケットCHOFU 042-481-7222https://www.chofumusicfestival.com※音楽祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。
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