eぶらあぼ 2024.5月号
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第88回日本音楽コンクール声楽部門で優勝し数々のオペラ出演を重ねているテノールの小堀勇介、そしてヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》での新国立劇場デビューや武満徹の歌曲CD小堀勇介 ©T.Tairadate村松稔之 ©T.Tairadateリリースなど多彩な活躍で知られるカウンターテナーの村松稔之。彼らの共演でバロックから近現代にいたる声楽の名曲を楽しむ贅沢な公演だ。幅広いジャンルをどうまとめ上げるか期待される。ピアノはチェンバロ奏者・指揮者の圓谷俊貴。1235/4(土・祝)14:00東京オペラシティ リサイタルホールアンサンブルの演奏に奏者の相性が影響するのは必然だろう。その点、宇宿真紀子(ピアノ)と宇宿直彰(チェロ)による姉弟デュオ「レ・クロッシュ」は理想的だ。ともにパリ高等音楽院とル左:宇宿真紀子 右:宇宿直彰エイユ・マルメゾン音楽院大学院を卒業し、すでに350を超える公演を行い5枚のCDをリリース。ベッリーニのアリエッタ「優雅な銀色の月よ」、メンデルスゾーンのチェロとピアノのためのソナタ第2番ほか珠玉の名作を楽しむ。横山幸雄(指揮・ピアノ) × ACO ベートーヴェン協奏曲ツィクルス Vol.25/11(土)14:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール5/9(木)19:15 豊中市立文化芸術センター(小)5/11(土)15:00 藤沢リラホールサン=サーンスの魅力〈真〉発見シリーズ vol.1フォーレとサン=サーンス5/29(水)14:00 19:00品川区立五反田文化センター 音楽ホール近代フランス音楽を代表するサン=サーンスの知られざる魅力を「真」発見しようという好企画の第1回。今回は弟子であるフォーレ、そして彼ら二人に影響を与えたと考えられるシュー左より:ヤンネ舘野、鶴澤 奏、鈴木皓矢マンを並べる。サン=サーンスのピアノ三重奏曲第2番は保守的傾向を強めた後期の大作、シューマンの練習曲は元々足鍵盤付きピアノのために書かれた珍しい作品だ。演奏はヤンネ舘野、鈴木皓矢、鶴澤奏の実力派たち。文:近松博郎横山幸雄と愛知室内オーケストラ(ACO)が始動させた「ベートーヴェン協奏曲ツィクルス」の第2回。横山といえば第12回ショパン国際ピアノ・コンクール第3位入賞の輝かしい経歴が想起されるが、近年は集中的にベートーヴェンと向き合い、2日間でピアノ・ソナタ32曲の全曲演奏も成功させている。今回は事実上ベートーヴェン最初のピアノ協奏曲とされる若々しい第2番を横山が颯爽と弾き振りする姿に注目だ。レ・クロッシュ リサイタル~ピアノ&チェロの夢の世界~小堀勇介(テノール) & 村松稔之(カウンターテナー) デュオリサイタル with 圓谷俊貴(ピアノ)5/22(水)19:00 東京文化会館(小)横山幸雄 ©ZIGENアリアと30の変奏から成るJ.S. バッハの鍵盤楽曲の大作「ゴルトベルク変奏曲」。北口大輔はその全曲をチェロ独奏用に編曲するという偉業を成し遂げ、本年4月に出版した。各地のオーケストラで首席奏者を務める一方で、無伴奏チェロ作品の研究を続けてきた北口による一つの到達点として、今回の編曲は多方面から評価を受けている。チェロの新たなレパートリーを開拓した編曲版の響きをぜひ生で確かめたい。スウェーデン出身で英国王立音楽大学に学び、巨匠アバドとアシュケナージに才能を見出されたペーター・ヤブロンスキーは異色のピアニストとして知られる。世界的なオーケストラと数々の協奏曲を共演し、近年は指揮活動にも乗り出しているが、本公演では原点のピアノ・ソロに立ち返る。彼が近年積極的に紹介しているポーランドの女性作曲家バツェヴィッチ(1909~69)の作品とショパンの組み合わせはとくに興味深い。北口大輔(チェロ) 編曲 ゴルトベルク変奏曲チェロ独奏版 出版記念リサイタル 大阪公演ペーター・ヤブロンスキー(ピアノ)掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。月の5

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