47 「カワイコンサート」が今年も開催される。1971年より日本全国にすぐれた音楽を届けようというポリシーのもとで開かれてきたシリーズ。今回は若手からベテランまで、7人のピアニストたちが全国各地で8公演にわたってリサイタルを行う。カワイが誇る「Shigeru Kawai フルコンサートピアノ SK-EX」の音色を味わえるのもこのシリーズの魅力だ。 まず4月6日、広島市東区民文化センターホールに登場するのは、第5回高松国際ピアノコンクールで第4位に入賞して注目を集める新鋭、西本裕矢。東京藝大で学び、第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクールのワルシャワで行われた本大会にも出場している。ショパンの「英雄ポロネーズ」、バラード第4番をはじめ、リスト「ラ・カンパネラ」、ドビュッシー「月の光」、バルトーク「戸外にて」他からなるプログラムを披露する。 5月24日は、札幌コンサートホール Kitaraに髙木竜馬が出演。第16回エドヴァルド・グリーグ国際ピアノコンクールで優勝を果たした注目の俊英だ。自らの音楽人生における大切な国々の作曲家たちというコンセプトで、モーツァルト「トルコ行進曲付き」ソナタ、ラフマニノフの前奏曲「鐘」、グリーグの抒情小曲集第5集より「夜想曲」ハ長調、ドビュッシー「月の光」、シューマン「謝肉祭」他を演奏する。 5月26日は、新潟県のホテルニューオータニ長岡NCホールにポーランドの名手エヴァ・ポブウォツカが招かれる。ソリストとしてのみならず、すぐれた教育者としても知られ、ショパン国際ピアノコンクールをはじめ世界各地の国際コンクールで審査員を務める実力左より：西本裕矢／髙木竜馬 ©Yuji Ueno／エヴァ・ポブウォツカ／イ・ヒョク／ニコラス・ジャコメリ／JJ ジュン・リ・ブイ／迫 昭嘉 ©武藤 章想曲集」op.116を軸に、メトネル、スクリャービンを加えたプログラムを用意する。 7月2日、愛知県の電気文化会館 ザ・コンサートホール、および7月3日、アクトシティ浜松の中ホールに登場するのはJJ ジュン・リ・ブイ。前回のショパン国際ピアノコンクールで、最年少参加者（当時17歳）として第6位入賞を果たしたカナダ出身の逸材である。両日ともプログラムは同じで、ショパンの「葬送」ソナタ、現代オーストラリアの作曲家カール・ヴァインのピアノ・ソナタ第1番、ラヴェル「ラ・ヴァルス」他からなる意欲的なプログラムが組まれた。 7月9日は仙台市宮城野区文化センター パトナホールに名手、迫昭嘉が登場する。グリーグの組曲「ホルベアの時代より」、ドビュッシー「版画」、ショパンの「舟歌」とピアノ・ソナタ第3番からなるプログラムは、3人の作曲家それぞれのスタイルの違いを際立たせながらも、豊かな詩情にあふれた一夜を楽しませてくれることだろう。者だ。「軍隊ポロネーズ」、「幻想即興曲」、バラード第3番といったショパンの名曲に、バッハのパルティータ第2番やシューベルト「楽興の時」などを組み合わせる。 同じく5月26日、北九州市立響ホールで韓国のイ・ヒョクがリサイタルを開く。イ・ヒョクは2022年ロン=ティボー国際ピアノコンクールで亀井聖矢と並んで優勝した新星。ピアノだけではなくヴァイオリンも学び、さらにチェスの国際大会に出場して世界ランキングにも名を連ねる才人だ。ベートーヴェン「月光」やモーツァルトの幻想曲 ニ短調、シューマン「交響的練習曲」などドイツ・オーストリア系の音楽を中心としたプログラムを組む。 6月1日は、慶應義塾日吉キャンパス協生館の藤原洋記念ホールにて、第4回 Shigeru Kawai 国際ピアノコンクールの覇者、ニコラス・ジャコメリのリサイタルが開催される。ジャコメリはイタリア出身。シューマン「クライスレリアーナ」とブラームス「7つの幻西本裕矢 4/6（土）15：00 広島市東区民文化センターホール問 カワイ広島082-243-9291髙木竜馬 5/24（金）18：30 札幌コンサートホール Kitara（小）問 カワイ札幌011-251-2317エヴァ・ポブウォツカ 5/26（日）13：30 新潟/ホテルニューオータニ長岡NCホール問 カワイ長岡ショップ0258-36-4557イ・ヒョク 5/26（日）14：00 北九州市立響ホール問 カワイ北九州店093-531-5581ニコラス・ジャコメリ6/1（土）18：30 慶應義塾日吉キャンパス協生館 藤原洋記念ホール問 カワイ横浜045-650-2351JJ ジュン・リ・ブイ7/2（火）19：00 愛知/電気文化会館 ザ・コンサートホール 問 カワイ名古屋052-962-39397/3（水）18：30 アクトシティ浜松（中）問 カワイ浜松053-455-0638迫 昭嘉 7/9（火）19：00 仙台市宮城野区文化センター パトナホール問 カワイ仙台022-261-2851https://www.kawai.jp ※各公演の詳細は左記ウェブサイトをご確認ください。カワイコンサート 2024 上半期ラインナップの聴きどころ旬の若手からベテランまで、銘器「SK-EX」で味わう名手たちの個性文：飯尾洋一
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