それでも踊るそれでも踊る者たちのために者たちのために122Profileのりこしたかお/作家・ヤサぐれ舞踊評論家。『コンテンポラリー・ダンス徹底ガイドHYPER』『ダンス・バイブル』など日本で最も多くコンテンポラリー・ダンスの本を出版している。「ダンス私塾オンライン」開設。皆様の参加をお待ちしております!乗越たかお第114回 「オレの新著発売! ダンス教育への危機感のために」 まずご報告させていただきたい。先々月号で書いい。そして最大の特徴は、文中に出てくるダンスの動た、オレの新刊が(この原稿執筆時点ではまだだけ画へ直接飛べるリンクが張ってあることだ。ダンスど)3月15日に発売されました! というか「配信」さの本にとって、このメリットは大きい。れたはず! 電子書籍なので! そして実例を多く採り入れたのは「日本のダンス教育における欠史20年問題」への対応のため、ダン Webマガジンの『バレエチャンネル』で1年半にわたって連載したものに大幅加筆・新原稿書き下ろしス教育の現場で使ってほしいからである。まで加わり、「紙で出版したらレンガぐらいの厚さに オレはこれまでの経験から「若い人は、かなりダなる分量」になっている。ンスのことを勉強していても、ここ20年間のダンス タイトルは、オレ好みの突飛な案が百出した結果、の知識が欠落していることが多い」と実感している。その理由は簡単で、彼らに教える側の知識が、ピ 舞台の見方がまるごとわかる 『実例解説! コンテンポラリー・ダンス入門』ナ・バウシュのあたりでほぼ止まっているからであに決定した。る。日本は貧困国になり、招聘公演の余裕もなく、 「コンテンポラリー・ダンスを通して舞台芸術全体海外の生のダンスを観る機会が激減した。おまけに日本の教育者や評論家が海外に観にいくことも少の理解につながる本」という内容をストレートに届け、創作や鑑賞の実践に役立ち、拾い読みでもオッない。結果、ダンスに対する知識が全くアップデートケーな親しみやすさを込めている。されていないのだ。 以前ここに書いた「一人称が『オレ』問題=子ど それどころかリアルタイムで観た世代には、「ピナものバレエ教育のためにと買った本の著者がいきはすごかった」と若い世代へマウントを取りたさに、あえて先に行こうとしない者もいる。ガラパゴス化しなり『オレ』とか言いだしたら、おかあさま方はビックリするんじゃないかしら問題」も、あえてそのままた国で、時間まで止まったら、さすがに希望が途絶にした。文章の流れと勢いに乗って出てきた言葉えてしまうぜ。そんな危機感を共有する人々は、世だけに、変更は文章の魅力を減殺すると気づいた代や年齢に関係ない。教育の現場で、ぜひこの本を使ってほしい。値段も破格の安さだしな。からだ。 表紙も知恵を絞った。電子出版の場合、サイトで で、この号が出る頃、オレは「DaBY/ProLab 第表示される小さめなサイズでもわかる視認性が保た1期 乗越たかおの“舞踊評論家【養成→派遣】プロれなければならない。そして素晴らしくオシャレで目グラム”」から2名を選んで、ドイツのダルムシュタットの国際ダンスフェスに行ってくるぜ!を引くものになった。 本文も前半は「音楽、照明、衣裳、映像」といった舞台の構成要素を通して、ダンスの挑戦の実例を解説。後半は「歴史的な差別表現、ルッキズム」など、今日的なアートとしての在り方を語るスリリングな展開だ。 なにより電子出版ならではの長所が素晴らしい。一冊にまとまったことで、高機能な検索機能が使える。紙の本のように索引と首っ引きになる必要はな
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