eぶらあぼ 2024.3月号
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第636回 定期演奏会 3/12(火)19:00 サントリーホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp4/10(水)19:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 https://www.ojihall.jp51込まれている。 だが本公演の曲目は、直接的に日本からの影響を示したり、日本音楽の素材を用いたフランス作品にとどまらない。二国間の音楽的交流をより広義に捉え、「旅」の情景を美しく彩る作品たちが選曲されている。メシアンの初期のピアノ作品や、名教育者ナディア・ブーランジェの残したピアノ曲、ラヴェルの「ソナチネ」のほか、20世紀半ばにパリ音楽院に留学した矢代秋雄のソナタ、武満徹がメシアンを偲んで作曲した「レインツリースケッチⅡ」といったフランスを愛した邦人の作品も並ぶ。繊細美あふれる音楽旅行を楽しみたい。マリー・ジャコ ©Christian Jungwirthンクの組曲「典型的動物」は、ドイツ軍による占領下のパリで書かれたバレエ曲が原曲。フランス近代音楽の粋を極めたオーケストレーションのなか、作曲家の隠れたメッセージをジャコはいかに掘り起こすのか。そして、ヴァイルが亡命先のパリで書いた交響曲第2番。ブレヒ小曽根 真 ©MatsukiKoheiト・ソングを思わせる歌謡も入り交じり、緊迫感をもってせわしなく変化し続ける。読響の機能性も発揮されよう。 戦争や亡命を背にして書かれた、多様性をふんだんに含む作品を並べた。清新で示唆に富んだプログラムでデビューするジャコ。期待せずにはいられない。©Marco Borggreve文:鈴木淳史文:飯田有抄マリー・ジャコ(指揮) 読売日本交響楽団注目の日本デビューは20世紀の光と影を映す4作品を まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。昨年からウィーン響の首席客演、今年の夏からデンマーク王立劇場の首席、そして2026/27シーズンからはWDR響(旧ケルン放送響)の首席のポストに就くという。今春、この1990年生まれの指揮者は読響を指揮して日本デビューを果たす。 マリー・ジャコは、バイエルン国立歌劇場でキリル・ペトレンコのアシスタントを務め、ドイツやフランスの歌劇場などでの指揮で頭角を現した新鋭だ。今回は、母国であるフランスをテーマにした20世紀の近代音楽によるプログラムを披露する。 原曲のオペラがフランス語で書かれた、プロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」組曲でコンサートは始まる。色彩と躍動あふれる表現に期待したい。ラヴェルのピアノ協奏曲は、ソリストに小曽根真を迎え、ジャズのエッセンスを鮮やかに引き出してくれるだろう。プーラ河村尚子が贈る音楽の旅 Vol.1 〜フランス音楽とジャポニズム〜東洋趣味とパリへの憧憬 王子ホールで新たに展開されるシリーズ「河村尚子が贈る音楽の旅」が開始する。ソロリサイタルはもちろん、室内楽や協奏曲への出演も非常に多く、近年ますます自身の音楽の幅を広げ深めている河村が、「旅」を主題にプログラミングするシリーズとあって期待が高まる。 旅の始まりとなるVol.1は、「フランス音楽とジャポニズム」がテーマ。ジャポニズムとは、19世紀の後半に催された万博を通じて日本美術がヨーロッパに紹介されたことを皮切りに、日本文化への関心が世界的に高まったムーヴメントである。とりわけフランスでの日本美術の流行は目覚ましく、楽壇でも強く影響を受けた人物にドビュッシーがいる。自室に葛飾北斎の浮世絵を飾っていたし、蒔絵に描かれた鯉に着想を得て作品も書いた。まさにその曲「黄金の魚」を含む『映像』第2集が、今回の河村のプログラムに組み

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