eぶらあぼ 2024.2月号
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3/15(金)19:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/3/13(水)◎、3/14(木)各日19:00 サントリーホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp他公演 3/15(金) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール(0798-68-0255)◎◎=河村尚子41左より:ウィーン交響楽団 ©Julia Wesely groß/オメル・メイール・ヴェルバー ©Luca Pezzani/河村尚子 ©Marco Borggreveキネン・フェスティバルで小澤征爾の代曲第1番(3/13)。河村とウィーンのオー役として《サロメ》を指揮した。ケストラの共演という点でも大きな聴 今回の来日公演のプログラムは、きものとなる。もうひとつはベートーヴェンの交響曲第8番と第7番(3/14)。ウィーンゆかりの作曲家の名曲を集めた2種類。ひとつはブラームスのピア伝統の楽団相手にヴェルバーがいかなノ協奏曲第1番(独奏:河村尚子)と交響る手腕を発揮するのか、注目される。前橋汀子 ©篠山紀信ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「四季」などを披露する。前橋と彼女が信頼する名手たちとの共演が楽しみだ。そのほか、ドビュッシーの「月の光」、マスカーニの歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」、弦楽アンサンブル ©Hikaru Hoshiマスネの「タイスの瞑想曲」、ドヴォルザークの「わが母の教え給いし歌」などの名曲も弦楽アンサンブル伴奏で演奏される。それらはまさに前橋の十八番のレパートリーであり、今の彼女を聴くには最適のプログラムといえるだろう。文:飯尾洋一文:山田治生オメル・メイール・ヴェルバー(指揮) ウィーン交響楽団躍進著しいマエストロが織りなす芳醇なサウンド ウィーン・フィルばかりがウィーンのオーケストラではない。1900年に創設されたウィーン交響楽団もまたウィーンの伝統を担ってきたオーケストラだ。歌劇場を本拠とするウィーン・フィルとは異なり、こちらはコンサートのためのシンフォニー・オーケストラ。ブルックナーの交響曲第9番やシェーンベルクの「グレの歌」を初演した歴史を持つ。歴代の指揮者陣にはカラヤン、サヴァリッシュ、ジュリーニ、ロジェストヴェンスキー、プレートルといったそうそうたる名前が並ぶ。 そのウィーン交響楽団が注目の新鋭、オメル・メイール・ヴェルバーとともに来日する。ヴェルバーはイスラエル出身で、ベルリン国立歌劇場でバレンボイムのアシスタントを務めた後、BBCフィルハーモニック首席指揮者やウィーン・フォルクスオーパー音楽監督、パレルモ・マッシモ劇場音楽監督などを務め、オーケストラとオペラの両輪で活躍している。日本では2010年のサイトウ・夜クラシック Vol.32 前橋汀子 & 弦楽アンサンブル信頼を寄せる腕利きの奏者たちとともに贈る名旋律の花束 ヴァイオリニストの前橋汀子は、日本人がソビエト連邦へ行くことさえ困難だった冷戦の時代、17歳で単身ソ連に渡り、レニングラード音楽院でミハイル・ヴァイマンに師事した。その後、アメリカに留学しジュリアード音楽院でロバート・マンに学び、スイスではヨーゼフ・シゲティやナタン・ミルシテインら巨匠から薫陶を受け、日本を代表する国際的なヴァイオリニストとして活躍する。2022年には演奏活動60周年を迎えた。近年はソロ活動だけでなく、「前橋汀子カルテット」を結成し、新たにベートーヴェンの弦楽四重奏曲を手掛けるなど、ますます音楽に対して真摯に取り組んでいる。 そんな日本音楽界のレジェンドというべき彼女が、文京シビックホールの「夜クラシック」に登場し、ヴァイオリンの森下幸路、森岡聡、伝田正秀やチェロの門脇大樹ら実力派弦楽器奏者を集めたアンサンブルとともに、

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