1/31(水)13:30 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp【ブルックナー生誕200年記念】第991回 定期演奏会Cシリーズ1/13(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp「革命のエチュード」や「幻想即興曲」といった誰もが知るマスターピースばかりでありつつ、同時にマズルカやバラード、ポロネーズといったショパンの本質を知るための重要なジャンルも欠かさないという、横山ならではのバランス感覚が生かされたもの。普段ピアノリサイタルに行かない人には入りやすく、一方でショパンの音楽を愛好する人には新しい発見がある企画といえるだろう。 横山自身、作曲の背景を語りながら弾くことで「演奏している時の感覚がまるで変わる」こともあるというので、またいつもと違った表現を聴くことになるかもしれない。アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2023-2024 横山幸雄の「ショパン物語」ひとり三役で作曲家の人生を辿る ピアニスト人生を通してショパンに向き合い続け、もはや自分の作品のような自然さでショパンを弾くようになっているという横山幸雄。超人的な企画であるピアノ作品全曲演奏会をはじめ、さまざまなアプローチでその真髄を探り続けてきた。 そんな彼が今回アフタヌーン・コンサートで行うのは、「横山幸雄の『ショパン物語』」と題し、朗読と演奏でショパンの人生を伝える演奏会。 横山は普段から、曲間のトークで楽曲のエピソードを紹介してくれることが多いが、この公演はまた趣向が異なり、横山が台本を手がけたショパンの物語を自身で朗読しながら演奏をしていくというスタイル。より一層ショパンに感情移入できるよう、偉大なるピアノの詩人の人生のストーリー、作曲の背景を追いながら作品を聴く構成となっている。 途中休憩なしの一連のプログラムは、下野竜也 ©Naoya Yamaguchi響曲だが、実は未完で遺された最後の第9番を書く直前に改訂していた交響曲でもあるのだ。その結果、主題となるメロディなどはスタイルを確立しきれていないほど若々しいのに、そこから派生していく流れからは晩年の雰囲気が滲んでおり、他のブルックナーにはない世界が広がってゆく。彼の作品津田裕也 ©Christine Fiedlerに必要以上の神秘性をまとわせない下野に似合う作品なので期待値も高い。前半には下野のような硬派で誠実な音楽をピアノで聴かせる津田裕也を迎え、モーツァルトの傑作、協奏曲第24番が聴けるのもいい。2つのハ短調から浮かび上がる異なる世界を楽しみたい。文:小室敬幸文:高坂はる香©ZIGEN64下野竜也(指揮) 東京都交響楽団熟練のタクトが彫琢する偉大なシンフォニストの隠れた傑作 ブルックナーの交響曲といえば、演奏機会の多い第3番以降が名作なのであって、それ以前の作品は…。そういう印象をこの作曲家を熱心に崇拝する人以外が抱いてしまっても仕方ないが、初期作には他に代えがたい独自の魅力がある。東京都交響楽団の音楽監督・大野和士が「初期のブルックナーは不器用すぎて安全な道を選べず、途中に障害物があってもひたすら直進し続ける。途中で事故が起こっているんですけれど、その転び方が和声的にユニークで面白かったりするわけです」と語っているのも実に興味深い。 2024年にブルックナー生誕200年を迎えるのに先立ち、今シーズンから前倒しで都響は彼の交響曲を集中的に取り上げ始めている。10月に小泉和裕指揮による第2番が評判になったのも記憶に新しいが、1月13日には下野竜也指揮で第1番が演奏される。ブルックナーにとって2番目に完成した交
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