36チョン・ミョンフン ©上野隆文 東京フィルハーモニー交響楽団が2024シーズン定期演奏会のラインナップを発表した。その豪華な陣容、まったくもって隙がない。それこそ「毎回が特別な演奏会」といってもおかしくないほどだ。 とりわけ名誉音楽監督チョン・ミョンフンが登場する3種のプログラムには要注目だ。マエストロがもっとも得意とするレパートリー、しかも大曲を出し惜しみなく注ぎ込み、いわばこの指揮者とオーケストラの集大成というべき公演が続く。 2月公演(2/22, 2/25, 2/27)では、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」とストラヴィンスキーのバミハイル・プレトニョフ ©上野隆文アンドレア・バッティストーニ ©上野隆文レエ音楽「春の祭典」を組み合わせる。自然がもたらす穏やかな喜びと、それが引き起こす爆発的な高揚感。まだ肌寒い季節だが、春の息吹もたっぷりと感じられるはずだ。 6月公演(6/23, 6/24, 6/26)は、メシアンの偉大なる代表作「トゥランガリーラ交響曲」。マエストロとパリ・オペラ座バスティーユ管弦楽団との演奏に、晩年の作曲家が激賞したという作品でもある。色彩とリズムの氾濫のなかに情感、歌心をも通わす――こんなメシアンを奏でてくれるのは世界でも彼一人だけだ。日本の誇るオンド・マルトノの名手である原田節、鋭い感ダン・エッティンガー ©Froehlingsdorf文:鈴木淳史©上野隆文出口大地 ©上野隆文指揮者とソリストともに盤石の布陣で注目公演目白押し!2024シーズン 定期演奏会の聴きどころOrchestra Focus東京フィルハーモニー交響楽団
元のページ ../index.html#39