第541回日経ミューズサロン チェコ少女合唱団《イトロ》ボヘミアの名門合唱団が贈るクリスマスソングと祖国の名曲 チェコ少女合唱団「イトロ」が、4年ぶり8度目の来日を果たす。首都のプラハから約100km離れたフラデツ・クラーロベーで1973年に創設された同団には、6つの予備課程に分かれて350名ほどの生徒が在籍。選抜された30名のみがプロとしてステージに立てる。国際コンクールで36回もの優勝を重ねており、無二の実力を持った由緒ある合唱団だ。 今回は「ホワイトクリスマス」や「ジングルベル」「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」などのクリスマスソングを披露。祖国のチェコより、ドヴォルザーク11/24(金)19:00 Hakuju Hall問 奏楽会03-4570-6731 https://www.sogakukai.com12/1(金)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227https://stage.exhn.jp75の交響曲第9番「新世界より」の第2楽章「ラルゴ」や、スメタナの「モルダウ」なども。 その極上の歌声は、「アメリカの少年少女合唱団の歌唱様式や性格を変えた」と、高い芸術性に加え、その指導法にも注目を集めるほどの美しさ。1977年より音楽監督を務めるイジー・スコパルのタクトでいかに紡がれるかが楽しみだ。ら技巧的に歌い(pipiはイタリア語でおしっこ)、音楽的充足感を保ちつつ笑いをとる。J.アダムズ《中国のニクソン》の〈私は毛沢東の妻〉は、キワモノのようでコロラトゥーラソプラノの技巧的表現を堪能できる。 しかも、奥秋大樹や後藤春馬のように評価が高い旬の歌手たちの力が、最大限に発揮される選曲。終演後、自分の音楽の世界が一回り豊かになる、と期待される。イトロ奥秋大樹イジー・スコパル後藤春馬文:桒田 萌文:香原斗志ぶらあぼ公式Facebookhttps://www.facebook.com/BravoClassic/奏楽会 みんな知らない名曲コンサート vol.2知らずにいたら損! 知られざる名曲の数々を旬の歌手とともに 日本は世界に冠たるコンサート大国。われわれは恵まれているが、難があるなら聴ける曲がかぎられることだ。特に声楽は、オペラも、コンサートで歌われるアリアや歌曲も、著名なものを聴く機会が多い一方、知られざる曲に出会う機会は多くない。しかし、人気曲だけが名曲では決してない。驚くほど美しい曲、楽しい曲、心を打つ曲は、じつは無名の曲のなかにあふれている。 その点で、「みんな知らない名曲コンサート vol.2」は貴重な機会である。たとえば、ロッシーニ《試金石》の〈ミシシッピの尊大なる影〉は、地名の「ミシシッピ」を「ミッシピピ」と言い換えなが
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