第756回 東京定期演奏会12/8(金)19:00、12/9(土)14:00 サントリーホール問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911 https://japanphil.or.jp2024.2/17(土)14:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 https://www.ojihall.jp65い旋律を朗々と歌うオーケストラに、マリンバが力強く絡んでいく。後半は無窮動風の急速なパッセージになり、マリンバが極寒の世界を生きぬくかのような生命のパルスを豪快に打ち鳴らす。打楽器の可能性を意欲的に開拓している池上英樹のソロに注目。 後半はラザレフに敬意を表してショスタコーヴィチの交響曲第5番。この作品はそれまでの急進的な作風がソ連共産党の批判を浴び、国是である社会主義リアリズムに沿った形で作曲されたと言われている。暗鬱に始まり輝かしい勝利のコラールへと達す宮本益光カーチュン・ウォン ©山口 敦るドラマは、聴き手に強烈なカタルシスをもたらす。歴史の教訓に思いを馳せつつ、耳を傾けたい。望月哲也 ©Yoshinobu Fukaya/aura.Y2すでに2020年にCDをリリースしており、今回もバスティアン望月哲也、バスティエンヌ鵜木絵里、コラ宮本益光、ピアノ髙田恵子というCDと同じメンバーが出演する。また東京シティ・バレエ団による踊りが入るのもとても楽しみだ。 プログラム前半は「10代のモーツァ鵜木絵里 ©Yoshinobu Fukaya/aura.Y2ルト」と題し、作曲者が10代の時に書いたカンタータや音楽劇からのアリアなどが演奏される。普段はあまり聴く機会のない作品が多い。日本を代表する「モーツァルト歌い」である3人が、さらなるモーツァルトの世界を拓いてくれることだろう。文:江藤光紀文:室田尚子髙田恵子カーチュン・ウォン(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団先達らへの万感の思いを込めた日本×ロシアプロ 9月より日本フィル首席指揮者としてのスタートを切ったカーチュン・ウォン。12月には長らく来日を控えている桂冠指揮者ラザレフに代わり東京定期のタクトを取る。プログラムもカーチュン色全開となった。 前半は邦人作品。日本フィルともゆかりが深かった指揮者、作曲家の外山雄三が7月に亡くなった。交響詩「まつら」で外山を追悼する。佐賀県唐津市の市制50年を記念し、盆踊り、鯨唄、童歌、お囃子など同地に伝わる旋律を用いて作曲され、日本フィルの九州ツアーで初演された。外山イズムあふれる佳作だ。 続いて好評を得ているカーチュンの伊福部昭シリーズからは、オーケストラとマリンバのための「ラウダ・コンチェルタータ」。伊福部のルーツには少年時代を過ごした北海道でのアイヌ民族との出会いがあるが、この作品もそうした影響を感じさせ、頌歌風の息の長モーツァルト・シンガーズ・ジャパン Vol.5《バスティアンとバスティエンヌ》(字幕付き)第5弾は12歳の神童がのこした恋物語 日本におけるモーツァルトのオペラのスペシャリストである歌手とコレペティートルが結集して2018年に誕生したモーツァルト・シンガーズ・ジャパン(MSJ)は、これまでに4回、王子ホールでモーツァルト・オペラの上演を行ってきた。オペラになくてはならない「縁の下の力持ち」であるコレペティートルのピアノ伴奏による演奏は、モーツァルト特有の声のアンサンブルが堪能できるという長所がある。また、主宰の宮本益光による、王子ホールという空間の親密さを活かした演出は、通常のオペラ公演にひけを取らない満足感が味わえると大好評だ。 第5弾となる今回は、モーツァルトが12歳の時に書いたオペラ《バスティアンとバスティエンヌ》を取り上げる。これは地のセリフのある一種のジングシュピールで、登場人物も羊飼いの娘バスティエンヌとその恋人のバスティアン、そして魔法使いのコラの3人だけ。時間も40~50分ぐらい。MSJは
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