eぶらあぼ 2023.12月号
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12/15(金)19:00、12/23(土)14:00(完売)、12/24(日)14:00(完売)東京芸術劇場 コンサートホール12/17(日)14:00 横浜みなとみらいホール(完売)12/18(月)19:00 大阪/フェスティバルホール12/20(水)、12/21(木)各日19:00 サントリーホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp11/30(木)19:00 浜離宮朝日ホール問 LEGARE 0467-91-0496 https://www.legare-music.info他公演 12/2(土) かつしかシンフォニーヒルズ アイリスホール(03-5670-2233)    12/3(日) 大阪/ザ・カレッジ・オペラハウス(おふぃすベガ0798-53-4556)    12/9(土) 福岡/FFGホール(エムアンドエム092-751-8257)50 年末恒例のベートーヴェン「第九」は力強く豊かな音で聴きたい。その点、読売日本交響楽団の厚みと潤いがあるゴージャスなサウンドは日本屈指。「読響第九」は、まず足を運ぶだけで、オーケストラ音楽としての醍醐味を満喫できる。さらに大きな魅力は、海外勢中心の実力派指揮者が登場すること。すなわち世界的マエストロの個性も味わえる。 2023年の指揮はヤン=ウィレム・デ・フリーント。オランダを代表する名匠だ。1962年生まれの彼は、82年に古楽を主体とするコンバッティメント・コンソート・アムステルダムを設立し、オランダ響、ハーグ・レジデンティ管の首席指揮者を歴任したほか、ロイヤル・左より:ヤン=ウィレム・デ・フリーント ©Marcel van den Broek/森谷真理 ©タクミジュン/山下裕賀/アルヴァロ・ザンブラーノ/加藤宏隆/新国立劇場合唱団 ©読響コンセルトヘボウ管等に客演。現在はウィーン室内管の首席指揮者とシュトゥットガルト・フィルの首席客演指揮者を務め、2024年から京響の首席客演指揮者にも就任する。しかもオランダ響とのベートーヴェンの録音が絶賛されており、11年録音の「第九」でも生気と力感溢れる引き締まった快演を展開している。つまり長年の研究と経験に裏打ちされた音楽を奏でてくれる心強い存在だ。 声楽陣も、世界で活躍するソプラノ森谷真理、気鋭のメゾソプラノ山下裕賀、ドイツで光を放つテノール、アルヴァロ・ザンブラーノ、深くノーブルなバス加藤宏隆に、日本が誇る新国立劇場合唱団と万全の態勢。人類愛や平和を謳った「第九」は、現代社会への意味深いメッセージであると同時に、聴く者に無類の感動と新年への希望をもたらす。名匠による渾身かつ鮮烈な“歓喜の歌”で、至福の年末を迎えよう。©Carole Bellaïche文:柴田克彦文:飯田有抄ヤン=ウィレム・デ・フリーント(指揮) 読売日本交響楽団「第九」オランダの名匠がおくる力に満ちた“歓喜の歌”シプリアン・カツァリス ピアノリサイタル 〜ラフマニノフへのオマージュ〜偉大なるコンポーザー・ピアニストに敬意をこめて作あるが(D899とD935)、流麗で歌 “鍵盤の魔術師”の異名を取るシプリアン・カツァリスが、昨年に引き続き来日心に富む曲を選ぶのか、変奏曲形式を選ぶのか、彼が「ラフマニノフへの公演を行う。カツァリスといえば超絶技オマージュ」としてチョイスする曲に巧を要するトランスクリプション(編曲も注目だ。版)の演奏活動で異彩を放ち続けてい ラフマニノフ作品は、5曲からなるる。昨年のリサイタルではサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」第「幻想小品集」である。かの有名な2楽章のピアノ独奏版を披露。今年に前奏曲〈鐘〉や、愛らしい〈メロディ〉入りリリースしたアルバムも、モーツァの入った若き日のラフマニノフの所ルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》ピアノ産である。カツァリス自身によるロ版全曲(ビゼー編)である。マンティックな小品「さよならラフマ ついにオペラ全曲まで手がけるようニノフ」は、まさにオマージュにふさになったカツァリスであるが、今年のリわしい作品だ。パリ・デビューから57年、72歳のカツァリスが奏でる芳サイタル・テーマに選んだのは生誕150年、没後80年のラフマニノフだ。題ししい音色で堪能したい。て「ラフマニノフへのオマージュ」。たんに“オール・ラフマニノフ・プロ”としないのがカツァリス流とでもいおうか。明かされている曲目によれば、冒頭はシューベルトの「即興曲集より」となっている。シューベルトには即興曲集が2

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