eぶらあぼ 2023.12月号
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12/16(土)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 キーノート0422-44-1165 https://www.ensemble-nomad.com2024.2/4(日)14:00 サントリーホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp他公演 1/27(土) 北九州市立響ホール(093-663-6661)    1/28(日) 所沢市民文化センター ミューズ アークホール(04-2998-7777)    1/31(水) 大阪/住友生命いずみホール(06-6944-1188)    2/2(金) 静岡音楽館AOI(054-251-2200)    2/3(土) 横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会045-453-5080)48樫本大進〈プレミアム室内楽シリーズ〉vol.2 シューマン & ブラームス 全曲ヴァイオリン・ソナタ・チクルス vol.2樫本大進 & エリック・ル・サージュ 2024至高の二人が織りなす濃密なアンサンブル品。互いの個性が色濃 ソリスト、そしてベルリン・フィルのコンサートマスターとして第一線で活躍く刻印された、対照的ともいえる2作品だ。する樫本大進。そして、フレンチ・ピア そして、そのあいだニズムの継承者であり、室内楽の名手に、ブラームス、ディートとしても名高いエリック・ル・サージュ。 2人が出会ったのは、ノストラダムリッヒ、シューマンの3人の共作である「F.A.E. スと空軍基地でも知られる歴史あるソナタ」、そしてクララ・南仏の城塞都市――この地で行われシューマンの「3つのロるサロン・ド・プロヴァンス国際室内楽マンス」が演奏される。音楽祭だった。ル・サージュ自身がフ 前者は、初めてブラールート奏者のエマニュエル・パユやクムスがシューマン宅をラリネット奏者のポール・メイエととも訪れたとき、2人を引きに主宰するアットホームな手作りの音合わせた名ヴァイオリ楽祭だ(アーティスト自身がチケットン奏者ヨーゼフ・ヨアヒムのために作らのもぎりをやっていたりすることもあれた、まさに友情の証といっていい作るらしい)。品だ。そして、後者はこれらの2人の 音楽祭の常連となった樫本大進は、ル・サージュとの共演を20年近く重ねて作曲家とは切っても切れない関係にあいる。この息の合ったコンビが、「シューるクララ・シューマンによる情感豊かなマン&ブラームス 全曲ヴァイオリン・ソ作品。シューマンとブラームスの強烈ナタ・チクルス」を引っさげて、日本各な個性をリンクし、そのあいだをくっき地でツアーを行う。りと埋める卓抜なプログラミングとい チクルスを締めくくる2回目にあたるえるだろう。2024年1月、2月の公演では、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番で始まり、シューマンのヴァイオリン・ソナタ第2番で終わるプログラムを披露する。 穏やかな抒情と憂愁に彩られたブラームス作品に、エネルギッシュな情感があふれんばかりのシューマン作の詩」、ファリャの「7つのスペイン民謡」(編曲:壷井一歩)などに加え、伊左治直、武満徹、藤倉大といったユニークな声の使い手たちの曲がそろった。使用言語も様々で、色とりどりの歌の世界を堪能できる。人間の心にストレートに訴えかけてくる声の力。混迷する世情の中、アンサンブル・ノマドによる訴求力は私たちに格別の感興をもたらすだろう。 スケール感をもちながら繊細な表現で聴かせる樫本と、精妙にして立体的に響かせつつも、艶かしいまでに音色や表情を移ろわすル・サージュ。南仏のアットホームな雰囲気のなかで培われた臨機応変なアンサンブルが華々しく繰り広げられる。その馥郁としたロマン派の響きも、インティメートな形で客席へ届けられることだろう。アンサンブル・ノマド ©Maki Takagi樫本大進©Keita Osada(Ossa Mondo A&D)エリック・ル・サージュ文:伊藤制子文:鈴木淳史アンサンブル・ノマド 第80回定期演奏会 プシュケー・息 Vol.3 うたうだけ言葉の陰影を映し出すさまざまな息遣いに耳を傾けて 多種多様な息=声の饗宴である。アンサンブル・ノマドの今年度のテーマは「プシュケー・息」。ギリシャ語で息を指し、生命や魂をも示唆する含蓄のある言葉だ。第80回となる定期「うたうだけ」では、人間存在の根源であり、種々の感情を豊かに映し出す声の魅力にスポットを当てる。腕利きの奏者がそろうアンサンブル・ノマドのメンバーとともに、ゲスト出演するのが、小林沙羅。変幻自在な声を駆使して、オペラから現代作品まで、幅広いレパートリーを誇るソプラノだ。取り上げられる作品は、ラヴェルの「ステファヌ・マラルメの3つ

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