66グランプリ・コンサート2023 クァルテット・インダコ大阪国際室内楽コンクールの覇者が“錦を飾る”! 今年5月に開催された大阪国際室内楽コンクール 2023の弦楽四重奏部門で第1位を獲得したクァルテット・インダコが、この11月に再来日し、グランプリ・コンサート2023と題して、大阪ほか全国10都府県で公演を行う。 クァルテット・インダコ(ヴァイオリン:エレオノラ・マツノ、イダ・ディ・ヴィータ ヴィオラ:ジャミアング・サンティ チェロ:コジモ・カロヴァニ)は、イタリアをベースとする団体。すでにいくつかの国際的な賞を受賞し、プロフェッショナルとしての演奏活動を行っている。5月のコンクール本選、および東京で行われた優勝団体披露演奏会では、シューベルトの弦楽四重奏曲第15番を弾いた。筆者は東京での披露演奏会を聴いたが、4人の親密な空気感が素晴らしいと感じた。第1ヴァイオリンは情熱的で多彩な表現。第2ヴァイオリンとヴィオラはアンサンブルに徹する。そしてチェロがこのクァルテットの要となり、緩徐楽章では魅力的な歌心も披露した。 11月6日には、コンクールの行われた住友生命いずみホールに帰ってきて、ボッケリーニの「ティラーナ」、ラヴェル、シューベルトの第15番を演奏する。イの香港ダンス・カンパニー(HKDC)は1981年に設立され、2001年以降は香港特別行政区政府から助成を受けている。芸術監督のヤン・ユンタオ(楊雲濤)は2013年から芸術監督を務め、その作品は世界各地で上演されている。 作品に大きな効果を与えているのが、背景の映像である。墨絵のように変化する模様は水面にも雷雲にも見える。ダンサーの直線的な動きを映像の曲線が包み込んでいく。やがてモノトー11/6(月)19:00 大阪/住友生命いずみホール問 日本室内楽振興財団06‐6947‐2184 https://jcmf.or.jp他公演 11/19(日) 浜離宮朝日ホール(日本テレビ小鳩文化事業団03-5259-5533) 他※全国ツアーの詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。11/25(土)14:00 18:00 TOKYO FMホール問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp他公演 11/29(水) 石川県立音楽堂 交流ホール(オフィス・ハンカ090-2035-2057)ンダコの十八番というべきシューベルトで、今の彼らの完成形を聴くことができるだろう。また、東京などでは、ベートーヴェンの第10番「ハープ」、シューベルトの第14番「死と乙女」他を弾く。©Chinese Dance × Martial Arts Convergence, 2023. Courtesy of Hong Kong Dance Company.ンのはずの舞台が、様々な色合いを帯びて見えてくるはずだ。アジアならではの美意識と挑戦に満ちた、刺激的な作品といえるだろう。文:山田治生文:乗越たかお香港ダンス・カンパニー『CONVERGENCE 収斂』〜中国舞踊と格闘技の相乗〜香港を代表するカンパニーが贈る「武術」と「舞」の融合 「武」は「舞」たりえるのか——。これは繰り返し問われてきたテーマである。ともに身体操作における技術体系ではあるが、武術はいわば機能美であり、表現に使うのは容易ではない。この難題に挑んだのが本作、『CONVERGENCE』である。 観客は舞台上のダンサーの武術的な動きが、あまりにもシャープで高速なことに目を見張るだろう。地に根が生えたような安定感の下半身、そこから繰り出される可動域の広い動きは多彩で、「武」と「舞」は究極の一体化を見せている。これは3年間、ダンサー達が中国武術の師匠について学んだ結果だという。ソロはもちろん群舞にも様々な変化があり、ダンスカンパニーとしての地力の高さを堪能できる。 アジアのダンスはここ20年ほどで急速に発達してきた。香港もいち早くコンテンポラリー・ダンスに取り組み、牽引してきた存在だ。なかでもこ
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