eぶらあぼ 2023.11月号
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林 裕 チェロリサイタル 2023Respect for Popper11/4(土)14:00 兵庫県立芸術文化センター(小)11/5(日)14:00 名古屋/Halle Rundeダーヴィト・ポッパーは後期ロマン派の著名なチェロ奏者・教育者で、現在も彼の教則本はチェロ学習者必携の教材となっている。長年にわたりポッパーを研究し、その全曲演奏大藪祐歌を目指す実力派チェリスト林裕が、ポッパーと彼を取り巻く作曲家の作品を並べた貴重な公演を開催。遺作とされる「ニュルンベルクのマイスタージンガーによる即興曲」など、演奏会で聴く機会の意外と少ない作品を、大藪祐歌のピアノとともに。139梅津千恵子(打楽器) 自主企画30周年記念公演 パーカッションメッセージ vol.1311/1(水)19:00 東京文化会館(小)関西フィルハーモニー管弦楽団第342回定期演奏会11/17(金)19:15 トッパンホール藤沢市民オペラ50周年記念 G.ロッシーニ《オテッロ》 演奏会形式 全3幕11/26(日)14:00 藤沢市民会館文:近松博郎10月に第2回欧州公演を行うなど、躍進目覚ましい関西フィルの第342回定期演奏会。世界的オーボエ奏者で、近年は指揮者として活動の幅を広げるアレクセイ・オーギュスタン・デュメイオグリンチュクのタク©ELIASトで、メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」をメインとする。同楽団音楽監督のオーギュスタン・デュメイがソリストを務めるベルクのヴァイオリン協奏曲、そして両巨匠によるバッハのオーボエとヴァイオリンのための協奏曲も聴き逃せない。じしゅコン vol.2村松稔之(カウンターテナー)11/13(月)19:00 としま区民センター 多目的ホール数々の受賞歴を持つ期待の若手カウンターテナー歌手として、古楽のみならず様々なジャンルに挑戦し続けている村松稔之によるリサイタル。とくに昨年6月にはジャズ・アレンジによる武満徹ソング・ブックCD『小さな空』をリリースし高い評価を受けた。今回のリサイタルでもメイン・フィールドの異なるピアニスト二人を揃えており、歌い手としての彼の奥行と幅広さが披露されると思われる。今後の活躍への期待が一段と高まるに違いない。11/18(土)14:00 大阪/ザ・シンフォニーホール東京藝大および同大学院修了後、日本フィル団員を経て約10年間にわたりイタリアで研鑽を積むかたわら、多彩なコンサート企画を展開してきた打楽器奏者・梅津千恵子による節目の公演。邦人室内楽作品の演奏を柱の一つとしてきた彼女ならではの魅力的なプログラムが並ぶ。ジャンルの垣根を越えた演奏仲間たちとの共演も、これまでの幅広い活動実績の賜物だろう。常に打楽器演奏の可能性を切り拓いてきた梅津の集大成と呼ぶにふさわしい。アレクセイ・オグリンチュク©Marco Borggreve©Yukiko Koshima1973年の創立以来、市民による管弦楽と合唱により極めてハイ・レベルな公演を続けてきた藤沢市民オペラの50周年記念。その長い努力の歴史に感服する。今回はオペラ指揮者としてすでに評価を固めている芸術監督の園田隆一郎指揮のもと、実力派の歌手たちを揃え、ロッシーニの《オテッロ》に挑む。園田監督の指揮ですでに2作のロッシーニ作品に取り組んできた藤沢市民オペラが、この名作悲劇をどう描き出すかに注目したい。読売日本交響楽団打楽器奏者としての活動に加え、他楽器との共演や音大での後進指導も精力的に行なっている西久保友広による6回目のマリンバ・リサイタル。マリンバやグロッケンによるソロ曲に加え、音源付きスネアドラムを使用した作品や、ピッコロの片爪大輔やパーカッションの柴原誠を迎えてのデュオを含め、プログラムは実に多彩で意欲的だ。我々が抱く打楽器のイメージを、彼が今回はどのように塗り替えてくれるか楽しみである。西久保友広(マリンバ)掲載している公演の最新情報は、それぞれの主催者のホームページなどでご確認ください。林 裕園田隆一郎 ©Fabio Parenzan©木村敬一月の11

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