10/21(土)、10/22(日)各日15:00 水戸芸術館コンサートホールATM問 水戸芸術館 チケット予約センター029-231-8000 https://www.arttowermito.or.jp11/5(日)14:00 東京文化会館(小)問 カメラータ・トウキョウ03-5790-5560 http://www.camerata.co.jp76Joy of Music シリーズ田崎悦子 ピアノリサイタル [第5回] Joy of Chopin (マズルカ集)ピアノの詩人が愛した故郷の舞踊音楽をクローズアップ 田崎悦子は楽曲に対する真摯な姿勢、溢れる愛情によって作曲家の言葉を紡ぎ出すような演奏を聴かせてくれるピアニスト。その凄みは年々増しており、唯一無二の音色、情熱的でスケールの大きな音楽づくりで聴く者に感動を与えている。彼女は定期的に、様々なアイディアを盛りこんだリサイタルを開催しているが、2021年からは東京文化会館でのシリーズ「Joy of Music」を開始。今年の公演はその第5回となる。 「Joy of Chopin」のタイトルを冠した今回は、ショパンの作品番号の付されたマズルカ全曲を演奏するという意欲的なプログラム。田崎は2018年のリサイタルシリーズ「三大作曲家の愛と葛藤」でもショパンのマズルカを演奏しており、作曲家の孤独や渇望、愛情など、あらゆる感情を届けてくれた。ショパンは数多くのピアノ曲を残しているが、その中でも生涯にわたって書曲」を演奏する。前者はクラシックなスタイル、後者はモダンなスタイルで書かれた作品だが、変奏曲という共通項でくくられている。 指揮者としてのホリガーは、近年シューベルトに集中的に取り組んできた。今回の水戸室内管との共演では、2曲の未完成交響曲を指揮する。ひとつは「アンダンテ ロ短調」。スイスの作曲家ローラント・モーザーがシューベルトの最晩年のスケッチにオーケストレーションを施している。もうひとつは、もちろん、交響曲第7番「未完成」。き続けたマズルカは特別な位置を占める楽曲群。彼の故郷ポーランドの民族舞踊は、若くして愛する地を離れ、帰ることのできなかったショパンにとって常に心に寄り添う音楽であり、このリズムを用いて作曲することで最も自分の想いを表現することができたのだ。作曲家が楽譜にこめたものの本質を届けてくれる田崎の演奏で、それを強く実感できるだろう。精度の高い技術はもちろんのこと、常に音楽に対して敬愛の念を持ち、作曲家と対話するようにピアノに向かい続けている彼女だからこそできる演奏にぜひ耳を傾けてほしい。ハインツ・ホリガー ©D.Vassホリガーの視点で作品のあるべき形を問い直した清新な「未完成」が披露されることだろう。文:飯尾洋一文:長井進之介水戸室内管弦楽団 第112回定期演奏会今なお新たな視座を与え続けてくれるレジェンド音楽家 作曲家、オーボエ奏者、指揮者として、80歳を超えてもなお衰え知らずの活躍を続けるレジェンド、ハインツ・ホリガーが水戸室内管弦楽団の定期演奏会に帰ってくる。今回も音楽家ホリガーの全体像がひとつの公演に凝縮されたような密度の濃いプログラムが組まれている。 まず、作曲家としてのホリガーの姿を伝えるのは、2012年に書かれた「メタ・アルカ」。カメラータ・ベルンの創立50周年を祝って書かれた弦楽合奏のための作品で、それぞれ独立した全14の声部からなる緻密なテクスチャーを持った作品だ。曲名はカメラータ(CAMERATA)のアナグラムに由来する。 オーボエ奏者としてのホリガーは、フンメルの「オーボエと管弦楽のための序奏、主題と変奏曲」および現代スイスの作曲家ケルターボーンの「オーボエと弦楽オーケストラのための変奏
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