10/21(土)15:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/12/13(水)19:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールウェブチケット webticket@kioi-hall.or.jp https://kioihall.jp74フレッシュ名曲コンサート 響きの森クラシック・シリーズ Vol.77注目の若手ピアニストとともにラフマニノフのアニヴァーサリーを祝う文:近松博郎 文京シビックホール「フレッシュ名曲コンサート 響きの森クラシック・シリーズ」第77回は、今年生誕150年を迎えたラフマニノフを記念したプログラム・シリーズの第1弾。パガニーニに触発された技巧性がラフマニノフならではのロマンティシズムと融合した名作「パガニーニの主題による狂詩曲」でソリストをつとめるのは、この3月に高校を卒業し、現在イタリアのサンタ・チェチーリア音楽院他で学ぶ18歳、森本隼太。ピティナ・ピアノコンペティション2018年G級金賞、20年特級銀賞および聴衆賞受賞といった国内での経歴に加え、昨年3月には100年以上の伝統を誇るイギリスのヘイスティングス国際ピアノ協奏曲コンクールで第1位を獲得。新時代の覇者たる彼のみずみずしい感性がこの名作とどう対峙するかが聴きどころである。 東京フィルが6月の定期公演でラフマニノフの交響曲第1番をとり上げ、初紀尾井 明日への扉 第37回 タレイア・クァルテット(弦楽四重奏)王道プロで若き実力派の意欲に触れる 魅力あふれる未来の巨匠たちに、リサイタルを通して大きく羽ばたいていってほしいという願いが込められた「紀尾井 明日への扉」シリーズ。その第37回には、女性奏者4人(山田香子、二村裕美、渡部咲耶、石崎美雨)によるタレイア・クァルテットが登場する。結成は2014年で、東京藝術大学在学中のこと。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール2015で第3位を獲得。第4回宗次ホール弦楽四重奏コンクールで第1位など、実力の高さを証明してきた。 2016年に「Lake District Summer Music」でイギリス・デビューを飾り、17年には同じくイギリスで開催された「Chilingirian Quartet Summer Course」に参加した。NHK「ららら♪クラシック」などのテレビ出演もしており、NHKBS「クラシック倶楽部」ではハイドンとライヒの作品を演奏。サントリーホール室内楽アカデミー第5期フェローメンバーとしても研鑽を積んだ。 今回の「紀尾井 明日への扉」ではベートーヴェンの「セリオーソ」、メンデルスゾーンの第1番、シューベルトの「死と乙女」という弦楽四重奏のレパートリーの中でも中心的な作品を演奏する。このコンサートへ向けたタレイア・クァルテットの意欲が感じられる。 どの楽器でもソリストには光があたるが、アンサンブルを中心としたグループ、特に弦楽四重奏団にはまだまだ注目が集まっていないと感じる。しかし、タレイア・クァルテットをはじめ、多くの有望な団体が存在している。彼女たちの演奏を通して、日本のクァルテットの実力を知ろう。角田鋼亮 ©Hikaru Hoshi演当時の評判がかんばしくなかったこの作品に内在する驚くべき真価を聴かせたのは記憶に新しい。今回の公演では、同オーケストラの指揮台に定期的に登壇し信頼関係を深めている角田鋼亮の指揮のもと、初演以来の人気作品であるラフマニノフ「交響曲第2番」からどのような新しい魅力を引き出してくれるか楽しみだ。 プログラム冒頭に配されたチャイコフスキーのバレエ音楽「眠りの森の美女」からのワルツは、クラシック・バレエの豪華絢爛な世界を体現する、言わずと知れた名曲。先人チャイコフスキーからラフマニノフに至る華麗なる響きの伝統を心ゆくまで味わいたい。森本隼太 ©Takafumi Ueno文:片桐卓也
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