eぶらあぼ 2023.10月号
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Information第312回 定期演奏会10/21(土)19:00、10/22(日)15:00 山形テルサホール出演/小林研一郎(指揮)、瀬﨑明日香(ヴァイオリン)曲目/サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン    サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ   ドヴォルザーク:交響曲第8番 他■ 山響チケットサービス023-616-6607https://www.yamakyo.or.jp39阪 哲朗 ©Kazuhiko Suzuki堀越「阪さんと演奏すると“音楽は生き物”と強く感じられます。すごく楽しいし、ワクワクしながら演奏しています」知久「最近はオケ以外の曲を演奏するときでも“阪さんならどう考えるかな”と考えるようになっていて、かなり影響されています(笑)。視点が増えましたね」 名チェリストにして古楽の名匠でもある鈴木秀美は、ナチュラル・ブラス(金管)を自発的に使っている山響との相性も良い。渡邊「学べることがとても多い。音がどこにどう向かうかというのは、やはり右手の技術が重要であることを強調されます。その奏法がうまく決まったときは本当に気持ちいいです」堀越「弦楽器の技術的な引き出しが多く、弓の使い方や音のバランスなどとても勉強になります」知久「管楽器には音色の変化で彩りを加えることを重要視されています」 ホルンのスーパースターとして活躍したラデク・バボラークは、その豊富な経験と音色の多彩さが際立つ。知久「要求は細かくて厳しいんですが、本人としてはシンプルに作りたい、自然にやりたいという。それが難しいわけですが、彼がホルンで音を出す瞬間は確かにすごく自然。彼の“自然”のレベルが高すぎるんですね(笑)」堀越「バボラークさんは歌うようにホルンを吹くので、オケの音色が一気に変わります!」 山形の魅力について聞くと、環境、自然、食事など、「地元愛」の話題は尽きない。渡邊「出身は埼玉ですが、山形との往復を繰り返すうちに、山形の山が見えてきてホッとしたときがありました(笑)。それ以前は、出張して山が無いと不安という人には“?”だったんですが、そのときは自分も“帰ってきたなあ”となって、“ああ、これか…”と(笑)」堀越「山形駅の目の前にホールがあるばかりか、県内全域にもいいホールがたくさんあり、山響の強みにもなっていると思います。あと、食べるものが美味しいです! 美味しすぎて太ってしまいやすいんですが(笑)」 各地の学校やホールで県内のこどもたち全員が山響の音に触れられる「スクールコンサート」について「山響の使命。続けていきたい」と真剣に語る一方で、「山響を聴きに、ぜひ山形にお越しください! そして山響Tシャツも買ってください!(笑)」と、3人とも明るい。街なかに楽員の写真が掲示されているほど地元に密着した山形で、彼らの明るく澄んだ音色に触れてみたい。

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