左から:堀越瑞生、渡邊研多郎、知久 翔 お揃いの山響Tシャツを着て38 独自の存在感を放ち続ける山形交響楽団。7月末にはミューザ川崎の「フェスタサマーミューザ」に登場し、鈴木秀美の指揮で鮮烈な響きと表現意欲にあふれた快演を聴かせた。その公演の合間、同公演でトップを務めた3人、フルート首席の知久翔、第2ヴァイオリン首席の堀越瑞生、チェロの渡邊研多郎に現在の指揮者陣と山形の魅力について伺った。知久と堀越は昨年入団で、フレッシュな山響を象徴するような存在。18年目の渡邊はこの日、急遽出演できなくなった首席奏者の代わりに首席代理を任されており、楽団内の信頼の厚さがよくわかる。 山響は現在、常任指揮者に阪哲朗、首席客演指揮者に鈴木秀美、ミュージック・パートナーにラデク・バボラークという、屈指の指揮者陣による体制を構築している。前音楽監督(現在は桂冠指揮者)の飯森範親も含めて、名指揮者たちが山響にもたらしたものは大きい。渡邊「入団したシーズンに飯森さんがモーツァルトの交響曲全集に取り組み始めて、そこから“これが山響”というものができあがりました。いまは3人の指揮者たちで、山響の音色のバリエーションが増していると思います。新入団員も増えてきて、これからどう変化していくのか楽しみです」 現在の3人は各自の音楽の作り方が違い、そのバランスがうまくいっている。中でも常任指揮者の阪の存在感はやはり特別で、常にヴィヴィッドな音楽を求める阪の考えは楽員にも浸透している。渡邊「オペラが得意な方なので、どんな曲でもストーリー性があって展開が早い。阪さんの指揮に乗れるようになると、こうやると面白い、お客さんにこの愉しさを聴いてもらいたい! と思うようになってくるんです」取材・文:林 昌英オーケストラを通じて山形の魅力を発信し続ける!メンバーに山響の魅力を聞きました!山形交響楽団
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