eぶらあぼ 2023.9月号
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9/21(木)18:30 高崎芸術劇場 スタジオシアター問 高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/※愛知、大阪、東京公演あり57 連日暑さが報じられる群馬をさらに熱くする高崎芸術劇場は2019年の開館以来、最先端の舞台芸術や音楽を紹介してきた。今回は愛知県芸術劇場とDance Base Yokohama(DaBY)との提携で、3作品が上演される。世界的に人気の高いオランダのネザーランド・ダンス・シアター(NDT)で活躍してきた面々が出演する、高崎だけの特別プログラムだ。 中村恩恵は、NDTで一時代を創った振付家イリ・キリアンが彼女のために『BLACKBIRD』を振り付けたほど特別なダンサー。今回はそのソロ部分と、コロナ禍を生きる閉塞感の叫クラシック・キャラバン2023 煌めくガラ・コンサート 古川展生 produce スーパー・チェロ・アンサンブル 〜イタリア音楽へ想いを馳せて〜歌とチェロ、温もりに包まれる音の饗宴 古川展生が精鋭を結集した「スーパー・チェロ・アンサンブル」。江口心一、大宮理人、小林幸太郎、佐山裕樹、森山涼介。9月の横浜公演はソプラノ市原愛、テノール中鉢聡をゲストに迎え、イタリア音楽特集。よく言われるように、人の声とチェロは音域が近い。歌との共演を発想した古川が思い浮かべたのが、プッチーニ《トスカ》の〈星は光りぬ〉の直前でカヴァラドッシのレチタティーヴォを彩る有名なチェロ四重奏だった。あの一連の美しい流れをぜひ!と、昨年の公演で中鉢とのコラボが実現した。通常のアリア・コンサートではなかなか演奏されない部分が聴けるのは、この編成ならでは。チェロ合奏が歌をサポートするのが基本形だろうが、やってみると、逆に中鉢の豊かな声がチェロを包み込んでくれるようにも感じたそう。今年は新たに市原も加わって華やかにスケール・アッ高崎芸術劇場 × 愛知県芸術劇場 × Dance Base Yokohamaパフォーミングアーツ・セレクション in Takasaki世界を牽引するカンパニーゆかりのダンサーによる高崎だけの特別プロ文:乗越たかお左より:『BLACK ROOM』 ©Naoshi HATORI/『Night Shades』/『Can’t-Sleeper』 ©Yuichiro Noda 3点ともに写真提供:Dance Base Yokohamaによる『Can’ t-Sleeper』のテーマは読んで字のごとく「不眠」。ズバ抜けて身体の利く二人が、現代人に切実な問題をどうダンスで表現するのか楽しみである。 今回の特別プログラムは、じつは来年同劇場で実現するNDTの来日公演と連携している。前回異例の観客動員数を叩きだしたNDTの再来日を待ちつつ、ダンスの多様性を堪能できる今回の公演を楽しんでほしい。プ。オペラやカンツォーネの名曲、ロータやモリコーネの映画音楽など“イタリア”をたっぷり楽しめるプログラム。〈星は光りぬ〉は、もちろん今回も。 「クラシック・キャラバン2023」の一環。コロナ禍を乗り越えようとクラシック関連団体が文化庁の助成のもと総9/14(木)19:00 横浜みなとみらいホール(小)問 1002(イチマルマルニ)03-3264-0244 https://www.1002.co.jpびのような中村自身の作品『BLACK ROOM』を連続で上演する。 イリ・ポコルニはNDTで活躍後、いまや様々なカンパニーで引っ張りだこの振付家・ダンサーである。今回の『Night Shades』は自然と人間の繋がりがテーマ。DaBYの若手ダンサーたちに振り付けた、エネルギーと深みが共存する作品となっている。 柿崎麻莉子(元バットシェバ・アンサンブル)とアリス・ゴドフリー(元NDT)古川展生 ©Yuji Hori市原 愛 ©Akira Muto文:宮本 明中鉢 聡力をあげて制作する、クラシックの美味しいところどりガラ・コンサートのキャラバンだ。それぞれ趣向を凝らした全国27公演。必ず日本人作品を入れるという仕掛けがちょっとしたスパイス。横浜では古川の代表曲でもある映画『おくりびと』(久石譲)が聴ける!

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