eぶらあぼ 2023.9月号
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第364回 定期演奏会10/4(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 https://www.cityphil.jp10/19(木)19:00 箕面市立メイプルホール問 箕面市メイプル文化財団072-721-2123 https://minoh-bunka.com52身近なホールのクラシック アレクサンドル・タロー ピアノ・リサイタル独創的な解釈から生まれる唯一無二の世界 スタイリッシュな印象と深く哲学的く、タロー自らの感性なムードを併せ持つ、アレクサンドル・とこだわりが反映されタロー。1968年、バリトン歌手の父とた編曲は、オーケストパリ・オペラ座ダンサーの母のもとパリラ曲を一体どんな形でに生まれ、豊かな感性で、正統派であ再現、もしくは変貌さりながら枠にとらわれない音楽表現をせるのだろうか。続けてきた。 公演と連動する講座 そんなフランスの名ピアニストが、地企画もあり、コンサート域の人々に本物の音楽を届けることを当日に向けて、演奏家コンセプトとする、大阪、箕面市立メイやプログラムへの理解プルホールの「身近なホールのクラシッ度と好奇心を深めていク」に登場。フランスものとグリーグのける仕組みも用意されている。一般2800円、「抒情小品集」からの抜粋を組み合わ大学生以下は1000円せた、鮮やかなプログラムを披露する。という手頃なチケット フレンチ・バロックで幕を開け、近代料金もうれしい。フランス音楽へとつながってゆく楽曲 世界の舞台で新しいの数々は、いずれもタローの洗練され試みを続けるアーティストの、独特のたセンスでどう響くのか、期待が高ま色彩感覚、響きへの強いこだわりを、地るものばかり。とくに楽しみなのが、彼自身のピアノ編曲版によるドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」とラヴェルの「ラ・ヴァルス」。既存のものではなれるはずだ。 そして、第8番「ザ・グレート」は、持ち前の明確なリズム感の上に、悠然とした流れを築いていくのが目に浮かぶようだ。パート間のバランスが重要となる曲だけに、飯守の持ち味の一つでもあるバランス感覚も発揮されよう。なんといっても、ワーグナーやブルックナーなど息の長く、長大な曲を得意とするマエストロならではのスケール感のある音楽に、期待は高まるばかりだ。域のホールで身近に体感できる、貴重な機会だ。飯守泰次郎 ©K.Miura文:鈴木淳史文:高坂はる香飯守泰次郎(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団熟練のマエストロが描く壮大な音のパノラマ 群雄割拠といっていい、東京のプロ・オーケストラのなかでも、近年もっとも成長が著しく、その評価を高めているのが東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団だ。常任指揮者の高関健による細やかな指導、そして、このオーケストラと四半世紀にわたる関係を続け、現在は桂冠名誉指揮者を務める飯守泰次郎の尽力によるところが大きい。 ドイツ音楽の良き解釈者としてあり続けた飯守も、今年で83歳を迎える。その年齢を感じさせない若々しいテンポから作り出される、大きく構えた自然体の音楽。最近では、ブルックナーの交響曲を東京シティ・フィルと演奏、その泰然と響き渡る音楽が大きな評判を呼んだ。 今回、このコンビが取り上げるのは、シューベルトによる2つの交響曲だ。古典的なフォルムのなかに、ロマン派のイディオムをちりばめた交響曲第5番。密度の濃いアンサンブルから生まれるみずみずしい音楽がホールを満たしてく

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