eぶらあぼ 2023.9月号
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第632回 定期演奏会 10/17(火)19:00 サントリーホール問 読響チケットセンター0570-00-4390 https://yomikyo.or.jp10/13(金)19:00 文京シビックホール問 シビックチケット03-5803-1111 https://www.b-academy.jp/hall/48セバスティアン・ヴァイグレ©読響 撮影:藤本 崇 第二次世界大戦後、東ドイツを代表する作曲家として名声を博したハンス・アイスラーの「ドイツ交響曲」が、セバスティアン・ヴァイグレ&読売日本交響楽団によってついに日本初演される。アイスラーは、シェーンベルクに師事した後、劇作家のブレヒトとコラボレーションを展開し、歌曲や劇付随音楽などを作曲。その後、ナチスを逃れ、アメリカに渡る。第二次世界大戦後、“赤狩り”によってアメリカを離れ、東ドイツに移住。東ドイツ国歌を手掛けるなど、国民的な作曲家となった。 「ドイツ交響曲」は1939年頃までに大部分が書き上げられた。独唱者とアンナ・ガブラー©Luis Steinkellner奏者だ。 共にソロや室内楽、協奏曲などで幅広く活躍しているが、今回が初共演となる。才能溢れる二人がどのような化学反応をもたらすか、とても楽しみである。フランス音楽が中心のプログラムは、ゆったりとした気分で名作を堪クリスタ・マイヤー©Matthias Creutzigerディートリヒ・ヘンシェル©Partricia Wilenski朗読者と合唱を要する、1時間を超える大作。ファシズムを批判する11楽章からなるカンタータ的な作品で、農民や労働者を歌うそのテキストにはブレヒトの詩も使われている。東ドイツ出身で、ハンス・アイスラー音楽大学で学んだヴァイグレは、このアイスラーの大作を日本の聴衆にもぜひ紹介したいと望んでいた。最適任者による日本初演は聴き逃せない。アンナ・ガブラー(ソプラノ)、クリスタ・マイヤー(メゾソプラノ)、ディートリヒ・ヘンシェル(バ實川 風 ©T.Tairadateファルク・シュトルックマンルーカス・ゲニューシャス©Irina Polyarnayaリトン)、ファルク・シュトルックマン(バス)による独唱陣も豪華。 演奏会前半には、やはり20世紀ドイツを代表する作曲家、パウル・ヒンデミットがほぼ同時期に書いた「主題と変奏『4つの気質』」がルーカス・ゲニューシャスをソリストに迎えて演奏される。独奏ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲的な作品で、バランシンが振り付けしたバレエ音楽としても知られている。新古典主義的な美しい変奏曲である。周防亮介 © JUNICHIRO MATSUO能するのにぴったりだ。「月の光」をはじめ、フォーレの夜想曲第4番など、夜が主題の曲も選ばれた。さらにフランス・ヴァイオリン音楽の名作中の名作であるフランクのソナタやショーソンの「詩曲」では、俊英奏者二人の華麗な名演を楽しめることだろう。文:山田治生文:伊藤制子セバスティアン・ヴァイグレ(指揮) 読売日本交響楽団マエストロ自身が日本初演を待ち望んだ20世紀ドイツ音楽の大作夜クラシック Vol.30 實川 風(ピアノ) & 周防亮介(ヴァイオリン)目覚ましい活躍をみせる二人が贈るフランス音楽の夕べ 気さくなトークを交え、種々の名曲を室内楽編成で聴ける文京シビックホールのシリーズ「夜クラシック」。仕事帰りなどでも気軽に来場でき、シリーズテーマ曲であるドビュッシーの「月の光」を異なる編成で楽しめることで人気を博しているが、今期もベテランから気鋭の奏者まで、魅力的なラインナップで開催中。 10月13日の第30回は、ピアノの實川風とヴァイオリンの周防亮介を迎える。實川は2015年パリで行われたロン・ティボー・クレスパン国際コンクールで第3位を受賞し、その生き生きと躍動する演奏は高い評価を得た。フランス音楽を中心に、数多くのレパートリーをもち、近年はオーケストラの弾き振りも手掛けるなど、注目のピアニストだ。周防は、10代から国内外のオーケストラと共演するなどその才能の誉れ高く、数々のコンクール受賞歴を誇り、昨今さらに深化を遂げている

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