10/1(日)14:00、10/4(水)19:00、10/7(土)14:00、10/9(月・祝)14:00 新国立劇場 オペラパレス問 新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999 https://www.nntt.jac.go.jp/opera/41ハーゲン プロジェクト 2023 ハーゲン・クァルテット 第1夜〜第3夜“日本のホーム”で、世界最高峰の“熟成”と“驚き”を味わう ハーゲン・クァルテットがトッパンホールに帰ってくる。彼らは、1981年以来40年余りにわたって第一線で活躍している世界のトップ弦楽四重奏団。トッパンホールでは、意義深いプロジェクトを次々に敢行しながら、記念日の公演や記念シーズンの幕明けを飾ってきた。いわば彼らは“ホールの柱”であり、自らも“日本のホーム”と呼んでいる、そこで行われるのが、今回の「ハーゲン プロジェクト 2023」全3夜。2021年の中止を挟んで4年ぶりに実現する、まさに待望のコンサートだ。 プログラムは、各日に大看板のモーツァルトとベートーヴェンの名作が置かれ、彼らが今「トッパンホールの聴衆と共有したい」と考えたラヴェル、ドビュッシー、ウェーベルンの作品が1曲ずつ加わる、彩り豊かな内容。モーツァルトは「ハイドン・セット」以降の円熟作、ベートーヴェンは、中期の「セリオーソ」「ラズモフスキー第2番」と後期の第13番&粟國 淳沼尻竜典 オペラはなにより愛を歌う芸術である。 新国立劇場の新シーズン開幕を飾るのも、人間の愛の諸相だ。しかも、恋愛のすったもんだや悲喜劇ではなく、切っても切れない母と子の愛をみつめる2様の傑作のカップリングである。 プッチーニの晩年作《修道女アンジェリカ》は、息子を思う未婚の母の愛情が、神秘的な奇蹟を起こす宗教的な劇。ラヴェルの《子どもと魔法》は人間の世界を超えるメルヘン。乱暴に接した周囲の物や生き物たちから仕返しされるいたずらっ子が、「ママン」の一言を呪文のように唱えて、やさしさに包まれるファンタジーである。「大フーガ」が並ぶので、実に密度が濃い。両大家の作品では彼らの円熟味、未知に近いラヴェル等の3曲では新鮮な感銘が当然期待される。 弦楽四重奏は緻密な積み重ねを要する形態だ。従って40年余の熟成を聴くだけでも十分価値がある。だが決して1ヵ所に立ち止まらないハーゲンQは、オーストリアと兄弟姉妹という出自に根ざしたインティメートな温かさ、しなやかで息の合ったアンサンブルをベースに、予測を超えたアプローチや自在性、余情を刻々と加えてきた。つまり毎回感動とともに“驚き”がある。その“世界最高峰の生きた感触”を求めて、今回ぜひとも足を運びたい。【第1夜】10/31(火) 【第2夜】11/1(水)(完売) 【第3夜】11/2(木)各日19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 https://www.toppanhall.com※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。キアーラ・イゾットンマリアンナ・ピッツォラート 物語世界のコントラストだけでなく、イタリアとフランスが誇る屈指の名人どうし、プッチーニの雄弁で壮麗なドラマ書法とラヴェル一流の優美な洒脱さも好対照だ。 大野和士が芸術監督就任当初からレパートリーの新しい柱としてユニークに打ち出してきた“ダブルビル”の第3弾。二本立ての楽しみが、長時間でひとつの物語を生きるのとは違う、視野の広がりと豊かな興味を掻き立てクロエ・ブリオ©Harald Hoffmann文:青澤隆明文:柴田克彦齊藤純子る。あわせて、大野がロシアものに続けて力を入れるフランス路線も加味されている。 いずれも新制作で、演出の粟國淳、指揮の沼尻竜典が再びコンビを組む。キアーラ・イゾットン、マリアンナ・ピッツォラート、クロエ・ブリオ、齊藤純子ら内外の歌手が贅沢に結集。大野芸術監督のいう「人間の愛の中でもっとも純粋な“母と子の愛”」は、いかに奇蹟と魔法を揮うのか。めくるめく舞台はもうすぐ。新国立劇場 《修道女アンジェリカ/子どもと魔法》新制作母と子の愛がもたらす奇蹟とファンタジックなドラマ
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