ブラームス:交響曲全集/久石譲&フューチャー・オーケストラ・クラシックスバード:5声のミサ曲/ジェズアルド・シックスバード:5声のミサ曲、アヴェ・ヴェルム・コルプス、悲しみと不安が、預言者エレミアの哀歌 他ジェズアルド・シックス【ガイ・ジェームズ(カウンターテナー) ジョゼフ・ウィックス ジョシュ・クーター(以上テノール) マイケル・クラドック(バリトン) サミュエル・ミッチェル(バス) オワイン・パーク(バス/指揮)】Hyperion/東京エムプラスPCDA 68416 ¥3143(税込)虚空はるかに 平澤仁ヴァイオリン・リサイタルファンタスティック・ハーモニカ/崎元讓&美野春樹SACDCDCDCD124久石譲と特別編成オーケストラによる交響曲シリーズ第2弾。8型を基本としたコンパクトな編成、速めのテンポによるキビキビとした進行は前作ベートーヴェン同様だが、ここではブラームス特有のロマンも加わり、生気に富んだ音楽の中に古典的な造形美とロマンティックな味わいが共生した快演が展開されている。全体に演奏伝統や過度な思い入れを排した表現がなされ、巨大室内楽を思わせる1番、彼らの演奏スタイルが曲の妙味をより引き立てた3番をはじめ、どれも実に新鮮だ。重苦しくなく、それでいてカロリー十分の、常識を打破するブラームス音楽の登場。 (柴田克彦)少年聖歌隊の伝統が残り、中世に遡る多様な音楽に対応できるア・カペラ男声集団が多い英国。結成10年に満たない現時点で世界的に注目を集めるジェズアルド・シックスも近現代曲解釈は絶品だが、ルネサンス期の自国作品への適性はやはり圧倒的!と再確認する新録音。2023年に歿後400年となるバードの作品を傑作「5声のミサ曲」を軸に厳選、6人の声は絶妙な距離感でそれぞれ体温を保ちつつ気色張らず枯れもせず、明らかに群を抜く確かさで多声の綾の面白さを驚くほど明快に解き明かしてゆく。自ずから姿を現す緻密な作品美。並居る名盤のどれとも違う気品、興味深く香り高く。(白沢達生)20年以上東京フィルのコンマスを務めた平澤仁が2000年にリリースしたアルバムの再発。ドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品」、ブラームスのソナタ第1番は抒情性に焦点を当てながらすっきりとまとめる。心地よい残響感が四半世紀近く前のこの録音にセピア色の時の衣を纏わせているようだ。一方、平澤の確かなテクニックはヒナステラ「パンペアーナ」の民俗的バーバリズムで十全に発揮されている。激しさの中に冷静な計算が隠れ、狙いを過たずに射貫く。最後はスヴェンセン「ロマンス」でしっとりと閉じた。アーティストの個性や主張が、じわりと伝わってくる選曲・演奏だ。(江藤光紀)日本のハーモニカ界を牽引し続けてきた崎元讓。2022年に活動55周年を迎え、同年10月には記念公演が行われた。本盤はそのステージの模様が収められたもので、崎元の音色の多彩さ、繊細な歌の世界が存分に感じられる。プログラムには様々な国の歌やクラシック作品など幅広い楽曲が選ばれているが、とりわけ魅力的なのが長きにわたり演奏のパートナーを務め、編曲も担当しているピアニスト、美野春樹の作品。楽器の特性や崎元の演奏スタイルを深く理解した彼だからこそ作り出せる透明感のある音楽世界は、ハーモニカの可能性をさらに広げている。(長井進之介)ブラームス:交響曲第1番〜第4番久石譲(指揮)フューチャー・オーケストラ・クラシックスドヴォルザーク:4つのロマンティックな小品/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番/ヒナステラ:パンペアーナ第1番/スヴェンセン:ロマンス平澤仁(ヴァイオリン)長尾洋史(ピアノ)美野春樹:遅き日、ソネット〜夏の終わりに/宮前知永子:明けない夜/ベラスケス(美野春樹編):ベサメ・ムーチョ/ポンセ(美野編):エストレリータ/チャイコフスキー(美野編):秋の歌/山田耕筰(美野編):赤とんぼ 他崎元讓(ハーモニカ)美野春樹(ピアノ)収録:2022年10月、東京文化会館(小)(ライブ)カメラータ・トウキョウCMCD-28387 ¥3080(税込)収録:2021年7月、東京オペラシティ コンサートホール(ライブ) 他オクタヴィア・レコードOVCL-00820(3枚組) ¥9460(税込)ナミ・レコードWWCC-7985 ¥2750(税込)
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