9/5(火)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677 https://www.proarte.jp他公演8/25(金) 札幌コンサートホール Kitara(小)(平和ステージ・オフィス011-665-0675)Megumi Tani Soprano Recital スペイン歌曲浪漫9/10(日)14:00 Hakuju Hall問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 https://www.bflat-mp.com63Interview谷 めぐみ(ソプラノ)スペイン音楽の真髄を一心に追い求めて スペイン歌曲の“極め人”、谷めぐみが9月にリサイタルを開く。ほぼ毎年企画してきたが、2020年には予定していた演奏会をコロナで「封印」せざるを得なくなり涙を飲んだ。4年ぶりの開催となる。 新たに組み直したプログラムにはスペインの魅力が詰まっている。全体を四つに分けタイトルをつけた構成。モンポウを集めた『ひそやかな歌』、グラナドスの『マホに恋して』、スペインの世界的名歌手ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスに捧げる『憧憬』、〈わが心のアランフェス〉などの名曲を集めた『ロマンチック・スペイン』だ。 「モンポウは今年、生誕130年なんです。メロディックで、優しく、叙情的なので聴く方も入りやすいと思います。次なるグラナドスは、スペイン歌曲で最も重要な作曲家のひとりです。高校生の時に声楽を始めて以来、さまざまな曲を歌ってきましたが、『ああ、これは自分のセリフだ!』と思えたのがグラナドスの作品でした。代表作『トナディーリャス(昔風の粋な歌曲集)』は一曲一曲がマホ(伊達男)、マハ(粋な女)の恋を描いたミニ・ストーリー。リサイタルを再開できたら絶対に歌うと決めていました」 三つ目のコーナーで紹介するビクトリア・デ・ロス・アンヘレスは今年、生誕100年となる。 「『憧憬』は、スペイン歌曲の素晴らしさを幅広い分野で伝えたビクトリア・デ・ロス・アンヘレスのレパートリーから選びました。作曲家アルベニスの生誕地カンプロドンで聴き今も忘れられない〈舟歌〉など、個人的に思い入れがある選曲です」 ピアノは共演を重ねている浦壁信二。谷が深く信頼するパートナーだ。ちなみに、谷がスペイン歌曲を勉強すると決めてバルセロナに留学した時に師事したのは、ビクトリア・デ・ロス・アンヘレスの伴奏者として活躍したピアニスト・作曲家のマヌエル・ガルシア・モランテだった。 「彼女ほどの大歌手が、本番ではピアニストに全幅の信頼を置いて任せ、それを先生が控え目ながら何の違和感もなくしっかり受け止める姿を見ていました。一緒に音楽を作るピアニストには、やはりそういうものを求めてしまうのかもしれません」 師匠ガルシア・モランテに言われた大切にしている教えは「めぐみはめぐみの歌を歌うんだよ」という言葉だ。 「スペイン歌曲の魅力は、人間の気持ちを正直に歌っているところ。熱くて素朴で凛々しいんです」 スペインの魅力がたっぷりと味わえるリサイタルになりそうだ。取材・文:井内美香文:伊熊よし子©三好英輔©藤本史昭田代慎之介 ピアノリサイタル 2023ハンガリー仕込みの熟練したピアニズムを堪能するり〈ブルガリアのリズムによる6つの舞 ハンガリー音楽のスペシャリストとし曲〉は半音階や不協和音、分散和音、同てリストやバルトークをライフワークとするピアニストの田代慎之介は、リスト音連打、ジャズのリズムなどバルトークの音楽語法が満載。田代の自家薬籠中音楽院に留学し、作曲家ゆかりの地での作品である。ラフマニノフでは楽器その空気に触れ、音楽性と表現力を高を豊かに鳴らし、作曲家の生きた時代をめた。現在は武蔵野音楽大学で後進彷彿とさせる演奏が期待できそう。ソの指導も行い、自身の培ってきたものナタ第2番(1931年版)は大変な難曲だを次世代へと伝えている。が、荘厳さと劇的な展開が聴きどころ。 今回リサイタルに選んだのは、モーツァルトとバルトークとラフマニノフ。モーツァルトのソナタ第3番はハイドンの影響が見られるものの、モーツァルトの独自性が色鮮やかに映し出される作品。バルトークの「ミクロコスモス」よ
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