eぶらあぼ 2023.8月号
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第363回 定期演奏会 9/1(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 https://www.cityphil.jp8/29(火)13:30 東京オペラシティ コンサートホール問 ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212 https://www.japanarts.co.jp62アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2023-2024若き俊英たちによる“戦場のメリークリスマス”偉大な音楽家の想い出に捧ぐ 今年3月末に71歳で亡くなった“教授”こと坂本龍一。45年以上にわたって第一線で幅広い活動を展開し、あらゆるカルチャーに影響を与えていたその大きすぎる“存在”の抜けた穴は埋めようがないが、遺された音楽は永遠。8月には“教授”からインスピレーションを得た3人が彼の作品を東京オペラシティの大舞台で演奏する、注目のアフタヌーン・コンサートが開催される。 中心となるのはピアニストの中野翔太とヴァイオリニストの成田達輝。二人は2022年9月、坂本が藝大時代に19歳で書いたヴァイオリン・ソナタを一緒に録音した(本人の目の前で!)黄金コンビ。ジュリアード音楽院に留学していた頃“教授”の音楽を拠り所にしていたという中野はレコーディングの日を「一生忘れません」と語り、成田の方もこれをきっかけに自身の音楽ユニットを「mumyo」と命名してもらうなど、生前の坂本とかけがえのない時間を共有している。 また、特別ゲストとして参加する箏アーティストのLEOも“教授”から強い影響を受けているアーティストのひとり。最新アルバム『GRID//OFF』でも坂本の「Andata」のカヴァーをとりあげている彼が、そもそも日本の伝統楽高関 健 ©K.Miuraアメリカに移住。そこで病を押しながら書かれたのが本作だ。それぞれのパートに聴きどころがあるダイナミックな音楽だが、それだけにオケの実力も問われる。 この2曲の間には、リゲティのヴァイオリン協奏曲が挟まれる。複雑な変拍子や特殊調弦が続出、独創的なアイ中野翔太 ©Taira Tairadate荒井英治 ©s.yamamotoディア満載の超難曲だ。「アリア、ホケトゥス、コラール」と題された第2楽章では、どこか民謡を想起させる素朴で調子はずれのメロディーも現れる。同楽団特別客演コンサートマスターでもある荒井英治が、高関の誠実で緻密なアプローチに乗って、迫力のある独奏を聴かせてくれるだろう。成田達輝 ©Marco BorggreveLEO ©NIPPON COLUMBIA器である箏にエフェクターを挟んでエレクトロニックな音作りを追求するようになった発想の背景には、やはり坂本の音楽があったという。そんな3人によって奏でられる、珠玉の映画音楽やアンビエント・ミュージックの数々を聴き逃すわけにはいかない!文:東端哲也高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団リゲティ×バルトーク――エキゾティックな響きに魅せられた作曲家たち文:江藤光紀 今年生誕100年を迎えたリゲティはユダヤ系ハンガリー人で、第二次大戦ではナチによって一家離散にあい、戦後は共産圏の作曲家に押し付けられた社会主義リアリズムを嫌いひっそりと活動していた。市民デモをソ連軍が鎮圧したハンガリー動乱がきっかけで西側に移住すると、独創性が花開き20世紀の最重要作曲家の一人とみなされるようになる。 今回の高関健&東京シティ・フィルのプログラミングは、そのルーツにも光を当てている。冒頭に置かれた「ルーマニア協奏曲」はリゲティがまだハンガリーで活動していた1951年の作品で、隣国ルーマニア音楽の研究成果を応用、エキゾティックなメロディーと語法で編まれている。 この作品はプログラム後半に置かれたバルトーク「管弦楽のための協奏曲」と響きあうだろう。バルトークもまた東欧の民俗音楽の研究に打ち込んだが、第二次大戦の戦火の広がりを前に

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