eぶらあぼ 2023.8月号
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8/22(火)19:00 としま区民センター(小)問 ビーフラット・ミュージックプロデュース 03-6908-8977https://www.bflat-mp.comCD発売記念 秋本悠希 リサイタル−抒情の在り処、日本の歌−9/9(土)14:00 紀尾井ホール問 テンポプリモ03-3524-1221https://tempoprimo.co.jp59Interview秋本悠希(ソプラノ)言葉の壁を越え、日本の歌を海外にも届けてゆきたい 英国王立音楽院オペラ科を日本人として初めて卒業、以後オペラにリサイタルに活躍を続ける秋本悠希は、いま最も注目されるオペラ歌手のひとり。本人によれば「大学時代の先生の影響から、まずドイツ語のレパートリーをつくり、特にワーグナーなど後期ロマン派に強く惹かれ、英国でさまざまな言語のレパートリーを広げてきた」声楽家だ。「数年前まで日本歌曲のみでリサイタルを行う選択肢はありませんでした」という秋本が、ピアニスト・山中惇史と組んで日本歌曲アルバム『ことのは ゆかし』(fine NF)を発表し、9月9日に紀尾井ホールで発売記念リサイタル「抒情の在り処、日本の歌」を行う。筆者はアルバムのライナーノーツを執筆したが、あらためてこの国際派歌手に「なぜ今、日本の歌を?」と聞いた。 「きっかけは、ご病気で入院された恩人の方を励ますために日本の歌を歌い、自ら字幕もつけたDVDをつくったことでした。そしてコロナ禍です。英国からの帰国時で、演奏会の予定が消え、浦島太郎状態で、藝大寮の清掃のアルバイトもしていました(笑)。そんな時期、YouTubeで歌を伝えることを考え、同僚にどんな歌を聴きたいか尋ねたところ〈長崎の鐘〉をとリクエストされ、それを契機に日本の主にポピュ その第6回では、ルクレールの代表作である全4巻のヴァイオリン・ソナタ集の中でも、最後に発表され、特に深い音楽性と高度な技巧を包含した第4巻(全12曲、1743年)から、第1、2、5、3番が軸に。同時代に、やはりヴァイオリニスト兼作曲家として活躍したルイ=ガブリエル・ギユマン(1705-70)のヴァイオリン・ソナタ(op.1-8)や、創意あふれる作風で知られたルイ=クロード・ダカン(1694-1772)の「クラヴサン曲集」からの佳品を併せて味わう。ラー・ソングを歌い届けたのです」 こうして「誰かのため」から始まった日本の歌への挑戦は、滝廉太郎から武満徹に至る前述のアルバムに結実した。タイトル『ことのは ゆかし』には「音楽はもちろん、日本語の歌詞の美しさを大事にしたい」という想いがあり、それは彼女の濃やかな歌から十二分に伝わる。共演の山中が唱歌系を中心に斬新な編曲を施し、過去と現在をつなぐ。 リサイタルは、アルバム収録曲を中心に全編日本歌曲で構成。さらに作曲家の根本卓也が秋本のために谷川俊太郎の反戦詩に作曲した、〈兵士の告白〉が加わる。訴求力の強いこの作品には、現在の世界情勢に響くメッセージがあるが、秋本は「表現者として、聴く側の方々がさまざまに考えていただくための問いかけとしたい」と語る。 このリサイタルはもはや「誰かのため」であることを超え、秋本悠希自身の表現の新しいステージを示すだろCD『ことのは ゆかし』N&FNF-29701 ¥3000(税込)う。秋本が英国留学中に仲間と合宿した時、それぞれが母国の民謡を披露する機会があり、彼女が歌った〈竹田の子守唄〉は言語の壁を越え、強い感銘を与えたという。秋本の視線の先には、「日本の歌を海外の方々にも届けてゆきたい」という未来が見えている。川原千真 ©A.Muto取材・文:矢澤孝樹加久間朋子 ©A.Muto文:寺西 肇ルクレール・ボクー 第6回 〜ルクレールと周辺の作曲家 2023〜ヴァイオリン音楽の新しい扉が開かれた18世紀パリの輝き イタリアで学んだヴィルトゥオジティを活かしつつ、フランス人特有の優雅さを纏わせた「知的で精巧なソナタと優雅なヴァイオリン演奏」で全欧州に名を馳せながらも、最期は何者かの手によって刺殺されたバロックの巨匠、ジャン=マリー・ルクレール(1697-1764)。川原千真(バロック・ヴァイオリン)と加久間朋子(チェンバロ)による「ルクレール・ボクー」は、そんな鬼才の手になる作品を中心に、周辺の作曲家による傑作を交えて、バロック時代における「音楽先進地・パリ」の雰囲気を体感できるシリーズだ。

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