eぶらあぼ 2023.8月号
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8/25(金)18:30 日経ホール問 日経公演事務局03-5227-4227https://stage.exhn.jp第537回日経ミューズサロン ニコラ・バルディルー クラリネット・リサイタルフランス放送フィル首席奏者の妙技を愉しむ一夜数公開されている演奏だろう。身 名人上手がひしめくクラリネット界で震いを誘うテクニックの冴え。品格も、トップ・プレイヤーとして真っ先に名前のあがる一人。それが1979年生まの高い歌心。多重録音で複数パーれのニコラ・バルディルーだ。トをこなした動画などは、あまりの ARDミュンヘン国際コンクールをは完成度の高さに唖然としてしまう。じめとする受賞歴とともに、彼は二十歳 ピアノの佐々井佑子とともに日そこそこでソロ活動を開始した。2004経ホールで開くリサイタルは堂々年には世界屈指の楽器メーカー、ビュッたる選曲。シューマンやブラームフェ・クランポンからテスターに招かれス、そしてサン=サーンスやプーラる。リヨン国立音楽院の教授に就任しンクが残した、クラリネット作品のたのが06年。11年からはフランス放送頂点に位置する音楽が、まさにそフィルの首席奏者。こんな経歴以上のんな姿を得て鳴り響く。管楽器ファ凄さを実感できるのが、YouTubeで多ン以外にも必聴の一夜である。44Interview及川浩治(ピアノ)充実期の今、真の名曲に思いを込めて 1995年のデビューがサントリーホール。以来、数々の名演を同ホールに残してきたピアニスト・及川浩治を、今年も聴ける。しかも、誰もが知る名曲ばかり。 「サントリーホールは僕にとって特別で、デビュー前から何度も聴きに来ては、感動の思い出だらけ。名演奏家たちの名演をホールは聴いていて、その記憶のようなものが、壁や造りのあちらこちらに残っている気がします」 まず、ホールの話を熱弁する及川。プログラムの話でも熱く、止まらない。選曲は一見するとメジャーな曲が置かれているが、「真の名曲だからこそ、何百年という時を経ても人の心に刺さる」と持論を展開する。 「コロナ禍の時期は精神的にしんどかったです。でもある時、車を運転していて突然シューマンの『謝肉祭』が頭の中で鳴り出して、もう楽しくなってきて。車の中で『謝肉祭』のメロディーを歌っていました(笑)。世の中も少しずつ落ち着いてきているし、明るさや幸せを感じる曲が弾きたいと思ったんです。『月光』『愛の夢』『英雄ポロネーズ』等々、これまで何度も弾いてきて、皆さんもよくご存じの曲。でも演奏は“一期一会”です。昨年の僕とは違うし、来年の僕とも違う、その時その瞬間の音楽です。作曲家にとってもそれは同じなわけで、その時々の精神状態の中から生まれてくる和声やフレーズがあります。その音に人間らしい本音があるから名曲になるのだと思います」 プログラムに登場するショパン、リスト、ブゾーニ、ラフマニノフ・・・いずれも名ピアニストだった。ピアニストの及川から見た、コンポーザーピアニストはいかに。 「まず言えるのは、彼らはいずれもピアノという楽器を熟知していることです。当時の楽器やそれぞれの手の大きさなど違いはありますが、ピアノを知り尽くしているからこそ、あれだけ魅力的な曲が作れる。特にショパンはすごい。手は大きくないけれど柔らかく、弱い薬指でデリケートなフレーズの音を弾くなど、その効果たるや! 昨今AIによる作曲が話題になっていますが、独特なテンポの揺らぎなどは絶対にまねできないと思います」 そして及川と言えばベートーヴェン。開始にピアノ・ソナタ「月光」、ラストに「熱情」。 「普通はこんな置き方しないですよね及川浩治 ピアノ・リサイタル 9/16(土)14:00 サントリーホール問 チケットスペース03-3234-9999 https://www.ints.co.jp他公演9/30(土) 静岡/青嶋ホール(054-253-6480)10/28(土) 大阪/ザ・シンフォニーホール(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)11/26(日) 横浜みなとみらいホール(神奈川芸術協会045-453-5080)(笑)。でも、楽聖と言われたベートーヴェンこそ実はとても人間臭い人で、ああいう風貌だけど繊細で優しくユーモアもある。作品のいずれも革新的で、闘う人生を送った、魅力の塊の人。ベートーヴェンに始まりベートーヴェンで終わる。その中に珠玉の名作を置いたわけです」 と言う及川もまた“真の”音楽家である。取材・文:上田弘子 ©Ayumu Gombi文:木幡一誠

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