eぶらあぼ 2022年5月号
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第951回 定期演奏会Aシリーズ 5/30(月)19:00 東京文化会館第952回 定期演奏会Bシリーズ 5/31(火)19:00 サントリーホール問 都響ガイド0570-056-057 https://www.tmso.or.jp5/21(土)15:00 豊田市コンサートホール問 豊田市コンサートホール・能楽堂事務室0565-35-8200 https://www.t-cn.gr.jp56と、それぞれの人物が活写され、宴もたけなわとなる。曲を導いていくのは独奏ヴァイオリン。ソロの金川真弓は18年にロン・ティボー、19年にチャイコフスキーと難関コンクールに立て続けに入賞した逸材だ。 メインはコープランド「交響曲第3番」。第二次世界大戦末期に書き始められ、1946年に完成している。コープランドは多民族国家であるアメリカ的なるものを音楽で追求した作曲家だが、この曲はそれらが充実した形で統合され、最も愛国的し込まれていて、これも独特の魅力をもつ一曲である。 そして、後半はキング・クリムゾン特集! 昨秋に来日公演を実現したキング・クリムゾンの「レッド」「平和~堕落天使」「スターレス」「21世紀のスキッツォイド・マン」が、モルゴーアの最高にホットアンドリュー・リットン ©Danny Turner左より:荒井英治、戸澤哲夫、小野富士、藤森亮一 ©Norikatsu Aidaなプレイで甦る。4人が一体となった演奏の無類の力強さは言うまでもないが、先の「タルカス」では第1ヴァイオリン荒井英治の超絶パフォーマンスが炸裂しており、クリムゾンでは荒井を中心にさらなるクレイジーな展開が予想される。豊田市でその熱狂を目撃せよ!金川真弓 ©Kaupo Kikkasかつシンフォニックに昇華されている。フィナーレ冒頭の「市民のためのファンファーレ」は、祝祭の幕開けなどに単独でも演奏される有名曲だ。文:江藤光紀文:林 昌英アンドリュー・リットン(指揮) 東京都交響楽団ニューヨーク出身の名指揮者と辿る近現代アメリカ音楽の傑作 都響から劇的なダイナミズムを引き出し、毎回好評を博しているアンドリュー・リットン。現在は生まれ故郷でニューヨーク・シティ・バレエの音楽監督を務めているが、今シーズンも5月定期のために来日する。 プログラムは聴き手に間違いなく元気を与えてくれる豪快なオール・アメリカン・プロだ。オープナーとなるのはシンディ・マクティーの「タイムピース」。2000年、ダラス響の100周年のシーズンを記念して作曲され、当時、同楽団の音楽監督だったリットン自身が初演している。多彩な打楽器が刻む時の“パルス”の上で、緊迫感溢れる協奏が繰り広げられる。この曲、吹奏楽バージョンも有名だ。 続いてバーンスタイン「セレナード」(プラトン『饗宴』による)。全5楽章からなり、各楽章にはプラトンの著作に登場する人物の名が冠されている。ユーモラス、メロディアス、リズミカルモルゴーア・クァルテット クラシック × プログレッシヴ・ロック深淵極めるクァルテットによるキング・クリムゾンが炸裂! 国内の四重奏団の中でも屈指の熱い活動で異彩を放つモルゴーア・クァルテット。彼らの最強レパートリーといえばショスタコーヴィチとプログレッシヴ・ロック。昨年11月にエマーソン・レイク&パーマー「タルカス」で横須賀に出現した4人が、5月にはキング・クリムゾンを引っさげて豊田市に現れる。しかも、弦楽四重奏というジャンルを作り上げたハイドン、その表現の極北に到達したショスタコーヴィチも併せて演奏され、クァルテットの深淵までも体験できるステージになる。 まず、ハイドンはop.74-3「騎士」。弦楽四重奏の表現力を一気に深めた重要作で、緊張感ある快速楽章に加えて、格別な深みをもつ緩徐楽章は白眉となる。続いて、ショスタコーヴィチは第6番。作曲者自身が束の間の幸福を味わっていた時期の作品で、彼の作品としては異例なほどの明快な楽しさにあふれるが、謎めいた響きも随所に差

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