eぶらあぼ 2022年5月号
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51Interview田尻洋一(ピアノ)独自のアレンジで生み出すベートーヴェンの交響曲 関西を拠点に演奏活動をつづけるはしない。もちろん、オーケストラ・スコピアニストの田尻洋一。今日までに、アは暗譜し、演奏の方向性は事前に組モーツァルト、ベートーヴェン、シューみ立てるものの、細部については演奏ベルトのピアノ・ソナタ全曲をはじめ、会場の響きやピアノの状態などに応じシューマン、ショパン、ブラームスのピて最良のものに変化させていく。いわアノ作品全曲演奏を成し遂げてきた。ば即興的な要素が強い演奏だが、あく 作品が内包する熱量を最大限に発まで原曲に最大のリスペクトを持ち、そ揮させ、客席とステージが一体となるの骨格を正確にトレースする中で、音の“熱いライブ演奏”にこだわり、あえて厚みやテンポなどを自在に変化させてセッション録音によるCDのリリースをいく。日頃、私たちが聴き慣れている避けてきた田尻だが、近年は過去のラオーケストラの名曲が、たった一人のピイブ録音のリマスターCDや、無観客アニストによって再現された瞬間、そこライブ録音によるバッハの『ゴルトベルには新鮮な驚きと感動が生まれる。 「ベートーヴェンの交響曲には、ピアノ・ク変奏曲』などをリリースし、音楽専門ソナタ以上にストーリー性のようなも誌や新聞などで高く評価されている。 今年、4月から5月にかけてリリースのを強く感じます。作品に込めた作曲するのは、ベートーヴェンの交響曲第2者の想い、彼自身が心に描く物語を、番と第7番のカップリングと、交響曲第ピアノという楽器が持つ能力を駆使し3番「英雄」に序曲「コリオラン」「エグて、表現してみたいと考えてきました」 この言葉は、交響曲第2番を語るとモント」を加えた2枚のCDである。き現実味を帯びてくる。「第2番は数 「様々な作曲家のツィクルス(全曲演奏会)を開催しているうちに、ピアノ独多くの人々が登場し、それぞれの思い奏曲のほとんどを弾いてしまい、新しいレパートリーを開拓する必要に迫られました。その時に思い浮かんだのが、交響曲をはじめとするオーケストラ作品を自分で編曲することでした」 田尻は自身の編曲を楽譜に記すこと先進的な和声をもつモーツァルトの序奏が、伝統的なハーモニーの概念を覆したドビュッシーにまでつながることが示される。6月はずばり「ハープとセリオーソ」で、ベートーヴェンの中期から後期に転換していく時期の2名作を。古典四重奏団の突き詰めた解釈での凄演を、解説とともにいまこそ体験しておきたい。《モーツァルトは一日にして成らず〜その6》第29回 5/10(火)19:00 ルーテル市ヶ谷ホール第30回 5/13(金)14:00 和光大学ポプリホール鶴川《ハープとセリオーソ》第31回 6/14(火)14:00 和光大学ポプリホール鶴川第32回 6/17(金)19:00 としま区民センター(小)問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 https://www.bflat-mp.comCD『ザ・ライブ Ⅰ』BRAVO-10004 4月下旬発売『ザ・ライブ Ⅱ』 BRAVO-10006 5月上旬発売BRAVO RECORDS 各¥3300(税込)を語るイメージ。その人たちは、正装し、格式ばって美辞麗句を並べるのではなく、個々が生きる喜びに溢れ、自由で溌剌としている。古典派の端正な佇まいの中に、ベートーヴェン流の豪快さが見える作品だと思います」。 今回リリースされる2枚のCD、ベートーヴェンの巨大な作品に注ぐ田尻の眼差しは、熱く、深い。左より:花崎淳生、田崎瑞博、川原千真、三輪真樹 ©F.Fujimoto取材・文:長井進之介文:林 昌英©編集部古典四重奏団 音楽が見える! 2022 レクチャー付きコンサート独特の視点によるレクチャーと演奏で音楽を「見る」体験 昨年の秋と大晦日にベートーヴェンの中期と後期作品を取り上げ、無二の完成度を誇る名演奏を実現し、円熟の域にあることを示した古典四重奏団。この5月と6月には、2002年以来20年にわたり継続してきたシリーズ「音楽が見える!」を2回ずつ開催する(2プログラム× 2回)。「楽譜が読めなくても音楽が見える!」をモットーに、名曲の魅力や仕掛けを、レクチャーと演奏で明らかにしていくシリーズ。構成と語り手はいつも通りチェロの田崎瑞博で、独自の視点による解説は発見の連続となろう。 5月のテーマは「モーツァルトは一日にして成らず~その6」だが、曲目はモーツァルト「不協和音」とドビュッシー。

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