沖縄復帰50周年記念 琉球交響楽団 サントリーホール特別公演東都に流れる、熱く爽やかな沖縄の風 沖縄初のプロ楽団、琉球交響楽団が、昨年に続いて東京公演を行う。琉球響は、元N響首席トランペット奏者・祖堅方正の先導で2001年にスタート。現在は創設以来深い関係を保つ名匠・大友直人が音楽監督を務めている。沖縄で活躍している音楽家が集う同楽団は、定期演奏会、音楽鑑賞会や式典演奏等々、20年にわたる活動を続けてきたが、昨年《はじめての東京公演》を開催。大友の指揮、辻井伸行のピアノで、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番や萩森英明の「沖縄交響歳時記」等を披露した。その演奏は、技術水準の高さと、大友の個性を反映した明るくしなやかで洗練味のあるサウンドが印象深く、むろん楽員の情熱も十分。終演後には盛大で温かな拍手が送られた。 沖縄復帰50周年を記念した今回は、大友の指揮にやはり辻井のピアノが加わり、ブラームスの「大学祝典序曲」、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第110/1(土)14:00 第一生命ホール 5/24(火)発売問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 https://www.triton-arts.net46番、そして本公演の意味を鑑みて、再び「沖縄交響歳時記」が演奏される。まずチャイコフスキーは文句なしの聴きもの。昨年のラフマニノフが辻井の中でも出色の快演だっただけに、今回もバックに触発されての名奏が期待される。「沖縄交響歳時記」は、沖縄の四季折々の風物、風景を詩情豊かに伝える全6楽章の大作。伝統音楽も用いた6/3(金)19:00 サントリーホール問 チケットスペース03-3234-9999 https://www.ints.co.jpなかでは比較的初期に属する作品だが、第1楽章冒頭からオーケストラとピアノが対話するなど、かなり斬新な一面を持った作品として知られる。小林と「晴れオケ」の共演もフレッシュなものとなるだろう。 その他、ベートーヴェンの「大フーガ」大友直人 ©Rowland Kirishima辻井伸行 ©Yuji Hori左より:矢部達哉 ©大窪道治/小林愛実 ©Makoto Nakagawa/トリトン晴れた海のオーケストラ ©大窪道治(弦楽オーケストラ版)を前半に、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」を後半に置いたプログラムは、ベートーヴェン・チクルスを終えた「晴れオケ」の新しい出発点として、期待の高まるもの。ぜひライブで堪能していただきたい。琉球交響楽団 昨年のサントリーホール公演 ©Rikimaru Hotta明快かつ色彩的な音楽で、精妙な管弦楽法を駆使して沖縄の魂をナチュラルに伝える佇まいが好ましい。それに何よりこれは「琉球響オリジナル」の稀少な生演奏。この機会にぜひ触れておきたい。 一同の熱い思いがこもった本公演。昨年聴けなかった方は、特にお見逃しなく!文:柴田克彦文:片桐卓也トリトン晴れた海のオーケストラ 第11回演奏会コンマス自らのオファーで小林愛実との共演が実現 東京・晴海の第一生命ホールを拠点に、指揮者無しでの演奏活動を続けている「トリトン晴れた海のオーケストラ(晴れオケ)」は、2018年からベートーヴェン・チクルスを行い、昨年開催された第10回演奏会で「第九」を演奏し、チクルスを終えた。コンサートマスター矢部達哉を中心に、一人ひとりのメンバーが全力を出し切った演奏は、清々しいものだった。 その「晴れオケ」が2022年に行う演奏会(10/1)では、21年のショパン国際ピアノコンクールで第4位に入賞した注目の若手ピアニスト・小林愛実をソリストに迎えて、モーツァルトのピアノ協奏曲第9番「ジュノム」を演奏する。実は、矢部は配信されていたコンクールのライブ映像を観て、特に小林の「24の前奏曲」の演奏に驚いたという。それで、今回の演奏会での共演をオファーした。「ジュノム」は1777年作曲。モーツァルトのピアノ協奏曲の
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