第641回 定期演奏会トリフォニー・シリーズ 5/21(土)14:00 すみだトリフォニーホールサントリーホール・シリーズ 5/23(月)19:00 サントリーホール問 新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815 https://www.njp.or.jp5/19(木)19:00、5/21(土)14:00、5/22(日)14:00 新国立劇場 オペラパレス問 新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999 https://www.nntt.jac.go.jp/opera/42 亡き妻を連れ戻しに冥界へ降りていく詩人オルフェオ。ギリシャ神話のオルフェウス伝説を題材にしたグルック作曲《オルフェオとエウリディーチェ》(全3幕、イタリア語上演)が、新国立劇場で5月に新制作で上演される。これは、大野和士オペラ芸術監督が重点を置いているバロック・オペラ・シリーズの第1弾で、指揮にバロック音楽のスペシャリスト鈴木優人、演出にダンサー、振付家として国際的に評価の高い勅使川原三郎という才人同士の顔合わせが実現するのが大きな話題だ。勅使川原は、内外でオペラ演出に携鈴木優人勅使川原三郎わってきたが、例えば2015年にパリのシャンゼリゼ劇場で初演された藤倉大作曲の《ソラリス》では、自ら出演したほか、台本・美術・照明・衣裳・振付も担当し、トータル・アートとしての舞台作りに定評がある。 ハンブルク・バレエ団のアレクサンドル・リアブコや、勅使川原と共働するKARASの佐東利穂子ら俊英ダンサーたちの出演も決定。リアブコはキーウ出身で、昨夏、東京芸術劇場で初演さヴァルダ・ウィルソンの作品といえるだろう。 佐渡裕と新日本フィルの新たな船出が聴き逃せない。れた勅使川原振付『羅生門』で異彩を放ったのが記憶に新しい。歌手陣も、エウリディーチェにヴァルダ・ウィルソン、オルフェオにローレンス・ザッゾ(ともに同劇場初登場)、アモーレに三宅理恵と実力派が揃う。 ピナ・バウシュやジョン・ノイマイヤーら巨匠振付家たちを魅了してきたこのバロック・オペラの名作に、勅使川原がどのような新風を吹き込むか期待は尽きない。佐渡 裕 ©Peter Rigaud c/o Shotview Artistsローレンス・ザッゾ文:山田治生文:渡辺真弓三宅理恵佐渡 裕(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団32年前の再現が告げる新時代の幕開け 2023年4月に新日本フィルハーモを勧められた作品でニー交響楽団の第5代音楽監督に就任あり、「ドン・ファン」は、する佐渡裕が、まずこの4月、同楽団のバーンスタインが講ミュージック・アドヴァイザーに就任し師を務めたシュレスた。そして翌5月、早速定期演奏会にヴィヒ゠ホルシュタイ登場する。ン音楽祭のマスター R.シュトラウスの交響詩「ドン・ファクラスで取り上げらン」、バーンスタインの「前奏曲、フーガれた曲目。「前奏曲、とリフス」、ベートーヴェンの交響曲第フーガとリフス」につ7番というプログラムは、1989年にブいても作曲者自身かザンソン国際指揮者コンクールに優勝ら教えを受けた経験した直後の1990年1月に新日本フィルを持つ。まさに、佐渡を振った凱旋公演を再現したもの(そにとって、キャリアのの後、佐渡は1992年から95年まで新原点となる作品であ日本フィルの“指揮者”を務めた)。こり、同時に十八番のレパートリーである。あれから30余年、新日本フィルとの3曲は、どれも若き日の佐渡が恩師レナード・バーンスタインから直接学んの古くて新しい関係を深めるには最適だ作品である。ベートーヴェンの第7番は、1989年にボンでのウィーン・フィルとの同曲の演奏を終えたばかりのバーンスタインに彼の楽屋でレッスンを受け、日本デビューで指揮すること新国立劇場 グルック《オルフェオとエウリディーチェ》(新制作)バロック音楽とダンス、それぞれの才人が創る「愛」の世界
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